美容院が16時からだったのでそれまでだらだらとベッドの上にいた。雨の予報を信じて洗濯はしなかったけど、降らないんだったらすれば良かったな。休みの朝、思ったより早く起きてしまって彼氏と二度寝した。彼が起きる時間私もギリギリ起きていたけど、起こしたら帰ってしまうのが嫌で言わなかった。そういうせこいところが可愛いと思ってくれるか否かはわからないけど、少し自己嫌悪した。
朝彼と分かれてから短編映画を流し見して、星野源と若林正恭のLighthouseを全話見て家を出た。美容院の前にマイナンバーカードを申請し直そうと思ってたのに結局家を出たのは美容院の時間ギリギリで、先延ばし癖は休みの日だと本領発揮すると実感した。
美容院はおよそ2ヶ月ぶりで、ウルフにしたかったのでオーダーしたら正解のビジュアルが出来上がってテンションが上がった。デジカメで写真を撮って貰えて嬉しかった。明日にはデータが来る、今日はメイクも上手くいったし残してもらえることは嬉しかった。元彼と美容院が同じだったがまだ来てるよと伝えられ震えた。彼は本当にばかだと思った。心残りがあるのならコンビニで声をかけていたはずなのでおそらく心残りはない。多分何も考えずまだ通ってるといったところだろう。彼がどんな道を進もうとどんな行動を取ろうと私はもう無関係で、それに寂しさを覚えることはなくなったが、大事にし続けられなかったことが少し悲しかった。元彼を悪く言うことでしか自分を形成できなかった自分が醜かった。22年間の人生で1番好きだった人はまだ大事なままでいるのに、別れても尚幸せを願い続けられるほど穏やかな気持ちで思い出せるのに、彼のことは憎く思うことでしか思い出せないことが苦しかった。でもきっとそれが彼と私の運命だったと思うことでしか消化できないことも、仕方のないことだと思う。彼のこともいつか、今まで好きだった人たちと同じように恋愛的に好きではなくとも大事に思える日が来るのかな。そうだといいなと思う。
髪を切ってから今1番好きな人に見せたくなったけど、仕事中なので諦めて飲みに来た。節約しようと思ったけど可愛くした私が可哀想だったのでいつも行く飲み屋の暖簾をくぐった。明るい店内の中で知らない人たちの話題に流されてゲラゲラ笑う夜は心地良い。今日だけは仕事の嫌なメールも引きずらずすみませんでした、と返せる。そういう日が必要だったのだと実感する。吐息の中にアルコールが混ざるほど飲む日は最近だと珍しい。もう少し暖かい灯りの中で揺らいでいたい。右隣のお酒を飲んだ人特有の笑い声が私を楽しい気分にさせる。今日は紛れもなくいい日だった。帰りは桜を見上げながら帰ろうと思う。
take it easy/礼賛