2024/02/01 「悪魔も涙することはあるのかしら」

剥製
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🫧

脳みそが太ったかのように頭が重い。 鼻から抜ける息のなかに、昨日のアルコールが多分に含まれている。 顔にかかる髪から、他人のタバコの匂いが香ってきた。 メイクも落とさずに寝ていたらしく、顔中がべたべたしている。 1日メイク落とさずに寝ちゃうと3ヶ月分のダメージが蓄積するらしいよ、とこのあいだ友達が言っていたのを思い出す。 こういう乱雑さが、生活を徐々に圧迫していくのだ。 そういえば、私はたまごっちを直ぐに死なせるタイプの人間だ。

早くシャワーを、と思うけど、ぐあんぐわんする頭のせいで全く起き上がることができない。 一階のリビングから、野球中継の音が聞こえる。 土曜日だから、単身赴任中の父親が帰宅しているんだろう。 自分のだらしない姿を、なぜだか父親にだけは見せたくなかった。 結局、布団から起き上がるのを後回しにする。

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人のことを忘れる過程について考えた。 まず、どんな顔だったか思い出せなくなる。そのうち、どんな声をしていたか思い出せなくなる。そして次第に、どんなふうに手を握られていたかを忘れる。 目を閉じて、耳を塞いで、そうやって過ごしていくから、こういう結果になるんだろう。 私はたぶん、傷つくことから逃げている。 そういうことに気がついたのは、最近のことだ。 ・

悪魔も涙することはあるのかしら。

@hamigakico
日記とたまに小説を書いています。