二年前にかいた文章を読み返していた。
【2022/01/03】
あの人の矛盾は許せなかった、これは単に私のわがままといえよう。おせちは美味しかった、まるで私の舌に嫌がらせをしたいかのようで、愛おしさとかそういう類の感情よりも、なつかしさが勝った、あの人は私の矛盾を愛してくれていたんだろうか。空想上の三日坊主は二頭身、縁側から空を、空を見上げていた。ただいま、というと、最後に上と下のくちびるが触れて嬉しくなった。そのまま私を茶封筒に詰めて、この街にばら撒いて!
【2022/01/09】
花束が死体だと言ったら、「無粋なことを言わないで」と怒られてしまいました。それって、死体が粋ではないということ? と言おうとして、やっぱり水槽に落っことしてしまいました。ぶくぶくとあぶくを出して沈んでいく言葉を眺めながら、明日は何を食べようかと考える。もう吐いてしまったものは戻らないから、せめて、おいしいものを摂取したい。花を口につめて、蜜をちゅうちゅうと吸っていたら、あの子の秘部の夢を見た。
すごく、いいなと思った。支離滅裂でも、意味がわからなくても、ものすごく感性的な文体で、そこには湿度が感じられる気がする。22歳になった今、もう、こんな文章は書けないなという小さくて大きい絶望を覚えた。私は、つまらない人間になってしまった。