人に何か言われて言い返すとき
相手を不愉快にさせる事を承知で言葉を発するとき
喉に何かつかえる感覚がある。
グッ…と喉の辺りを押さえつけられているような。
人に酷いことを言える人、相手が傷つくかもしれない言葉を笑いながら言える人は、自分の発言を後悔して苦しくて申し訳なくて泣いちゃうような夜を迎えた事はあるのだろうか。
自分が酷いことを言った自覚はあるのだろうか。
言い返せない訳じゃないし、できることなら思いついた悪口を全部目の前で吐き出してやりたい。
でも、その日の夜に「酷いことを言った自分」に失望して泣いてしまうかもしれないという恐ろしさから、いつも文字通り言葉を飲み込んでいるような感覚だけが残る。
言い返したら同類だ
なんて言い聞かせてその場を凌ぐけど、傷ついて飲み込んだ感情と言葉を消化しきれず、結局泣いちゃう夜が悲しい。
性格が良いわけではないから、この喉を裂いたら誰よりも目の前の相手を故意に傷つける自信がある。そんなことをする自分を見たくないから、今日もまた飲み込む。
眠れない