4月8日

はなかがり
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すぐ人に諦めをつけてしまうのは、この歳まで生き延びるための戦略だったと思うしかない。みんな仲良くなろうと思っているとか、そんなこと全然どうでも良くて、この4月のコミュニケーションが一番苦手だった。誰と仲良くなりたいという思惑が、バレないようにというぎこちない動きでウゾウゾと背中を伝って這い上がる。皆が肌の上を滑るような会話をする中、もうすっかりクラスに慣れきった11月の高校生のように、休み時間にひとりで伸びをし、トイレに行くついでに人に話しかけている。浮いている。