中高の頃の友達と会う夢を見た
昔々に壊されてもうない、実家の最寄り駅前の町並み
トタン屋根で複数の店子が入った長屋のような商店にはおもちゃ屋さん、鶏肉やさん、お惣菜屋さん、花屋さん、魚屋さん などが入っていた
確かボヤ騒ぎになって危ないからと取り壊された商店、〇〇ストアと呼ばれていた
一番奥にはお味噌と乾物のお店があり、三角に盛られた大きな樽のお味噌が並んでいた
路地は舗装されていなかったから雨の日は靴が泥まみれになりやすかった
おもちゃ屋さんには入口にダッコちゃん人形、リカちゃん人形、モンチッチ、ピンクのゴムボールなど女児向け玩具が鮮やかで、私はよく吸い寄せられていた
店内に入ると鉄道の模型と小さな箱のプラモデルが子供の目線の棚にぎっしり詰まっていて、タミヤの塗料のガラス瓶がキラキラして見えて高級そうだった
完全に忘れたつもりでいた昔の、現在は失われた風景だった
友達も私も成人して、友達には小さいお子さんが居た (実際に私がその年齢の頃にはもうストアは無くなっていた)
オムツの話題と船の折り紙と雑誌、学生の頃私が落書きした食レポ漫画の話をした (実際はそんな漫画は描いてないし彼女にお子さんが居るかどうかも知らない)
認知症で昔居たどこかへ行こうとする症状は、これ?と目覚めてから思った
あまりにも鮮明だった
記憶精査の確認作業(と私が思っている)の夢に
消す?要る?と見せられたことで、既に途切れていた記憶時間軸の末端、千切れて漂っていた断片の風景が鮮明に、近日の記憶のように上書き更新されてしまう
鮮明になった風景に、大事な待ち合わせや用事、気になる体験が紐づいていたら、それは出掛けてしまうかもしれない
記憶の景色の場所へ
記憶が鮮明だから現在と認識し、ただもう無くなった事実は知識としてあり、知識を得たのは昔だからすぐには思い出せない
本人の行動の動機としては至極真っ当なのか
時間軸の誤認は私も一度経験がある
世界がおかしいと本能で感じ恐怖した
日没のはずなのに日が昇る天変地異
夜へと針を回す時計を見ながら白んでくる空を見て、地球上の文明の終わりまで感じた
何が起こっているのかわからなかった
なぜ日没だと信じ込み、朝日だと思わなかったのか
数十分で我に返ったので良かった
徹夜が続いたり昼夜逆転してるのに無理矢理朝起きたりストレスが多い頃だった