-IV- Hero's Return

にわ
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The Scheme: 21st Century Revival

正直なところ、楽しみ気持ちと不安な気持ちが半々...いや、不安の方が大きかったかもしれない。当時の音の悪いサンプリングパートを高音質なものに差し替えて、確かにいい音になったけど当時感じた迫力が削がれた大人しい音に仕上がっているのでないかという不安が。

35年の時を経て復活したザ・スキームの楽曲群は、そのような不安を一瞬にして吹き飛ばす出来となっていた。'88年当時の空気はそのまま、しかし確実に音は良く、だけど思い入れのない人が聞いても何が違うのか気づかないかもしれない。この絶妙なバランスを保った音。

当時の僕達が聴きたかったのはこれだったんだ、と気付かされた。

知らない人にも是非、とは言わない。

たとえば、後に古代祐三の音に惹かれたファンが、若き日の古代祐三が作った中でも評価の高いザ・スキームの曲を聴いてみたいと思ったとする。

それならば、オリジナルのサントラを聴けばいいのだ。35年前のあの時、既にザ・スキームの曲は完成している。

これは当時聴いていた僕達のためのボーナス・トラック。そんな気がする。

@haniwar
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