少し前からaudibleを始めた
Amazonのサービスのひとつで、本を音声で聞くことができるってもの。
有名な作家さんの小説や、ビジネス書など、色々な本が音声で聞ける。(読める)再生速度は、0.7倍速から、2.0倍速まで選ぶことができる。
仕事で、ひとりで車移動をしなければならないときや、通勤での車のなかで、いくつかのビジネス書を聞いていた。ビジネス書を聞く時は、だいたい1.5倍、とか聞き取りやすいものは2倍で聞くことも。
そういえば、最近は、ドラマも映画も、倍速で観る人がいるって、聞いたことがある。それは、時間の流れを速めて、短い時間で、たくさんの情報を知りたい、という欲なのか、ほかのことをしたい時間が欲しいから、できるだけ時間は書けたなくない、という思いなのか。
私がaudibleを倍速で聞く理由は、どちらかというと前者。たくさん情報を詰め込んでしまう。それはある意味、こころの不安の裏返し。今の自分の足りないところを、外側の情報をもって埋めようとしている。本やビジネス書に、魔法のような言葉が埋まっていることを信じている。もっと、自分の頭を働かせなきゃいけないのに、ね。自分の取り扱い説明書は、自分でしかつくれないもの。
倍速audibleの生活が、ふっと変わった瞬間があった。
吉本ばななさんの「幸せへのセンサー」という作品。audibleにはaudibleでしか配信しない作品があって、これもそのひとつ。読み手は千葉雄大さん。
一瞬、女の人の朗読じゃないんだって、感じたけど、千葉雄大さんののんびりとした口調が、なんだか、とても安心して聞いていられる。
誰かの朗読って、その人の滑舌の癖、だとか、息づかい的なものとかが、自分に合わなくて、聞いていられないって辞めちゃうこともあるんだけど、それがまったくなくて、というかないわけではなくて、少し舌ったらずな個所もあるんだけど、それが聞いていて苦にならないというか、それがしっくりきている、というかそんな感じ。プロの俳優さんだもの、素晴らしいです。
それでこの「幸せのセンサー」は、いつもの倍速再生ではなくて、ほんとにそのままの速度でずっときいていた。長さも2時間30分なのもよい。(書籍の朗読は、普通に再生時間が4時間とかざらにある)
2~3日の車の移動中で最後まで聴くことができた。内容は、とってもすばらしかった。吉本ばななさんの作品は、たくさん読んではないけれど、私の多感な時期に作品が近くにあったものだ。「キッチン」は有名だし、でもわたしは「TSUGUMI」が好きだった。
これから、またあらためて読み直してみようかな。
そんな、audibleでの再会のようなお話。「幸せのセンサー」を聴いて思ったこと、はまたどこかの機会で書こうと思う。