調達終わったよ2024 〜さよならシード編〜

hari
·

ようやくPreAラウンドの調達が終わりました。

結果として当初想定していたものよりValは下がったものの、サイズとしては最初の目標通りのものとなったので全然御の字。そもそも初期のValがふっかけすぎた。トリリオンゲーム読まなきゃよかった。

あまり目立ちたくもないので、特にリリースとかは出さないけれど、みんなにめちゃくちゃ応援してもらっていたので、その人達に向けて筆をとることにします。

.

.

.

ウルトラ激アゲインスト調達2023

昨今の市況感もありExitの手段が大きく狭まった中で、VCの存在意義がどうとかこうとか言われ出した2023年。VC調達自体が相当アゲインストであることはスタートアップ界隈にいる人ならなんとなく耳にしているかもしれない。

そんな中でも最もアゲインスト、ストレートな表現をするのであれば「VCの新規投資におけるポートフォリオから完全に除外された」ドメインがD2Cとweb3だろう。

https://newcommerce.ventures/weekly/1285/

海外ではD2Cの投資額がピーク時の1/50になったらしい。肌感としては全く違和感なく、国内でもそれくらいのイメージ。ピークのタイミングは毎日のように出ていた調達リリースも、最近ではクォーターに1件聞くかどうか。それも既にシリーズAを終えている(た)、ミドル〜レイターがほとんどだ。

まさに諸行無常、盛者必衰の理。難易度も50倍だ。昨今のスタートアップ市況では、現況からくる外部要因を未来に組み込むと簡単に死に直結してしまう。

先日のアクセラで先輩たちも言っていたが、起業家が朝令暮改という便利な方便を使うように、最近はVCも朝令暮改を平然とふりかざす。お前が言ったんだろう、は次の日には通じない。

マーージで難しかった

実はこっそりこれまで4回ラウンドを組成して、10人(≒社)以上から調達しているものの、断られた回数は2-3回しかなかったことが自慢だった。正直言ってイージーモード。今後も苦労することはないと思ってた。

のに、このラウンドではその数十倍断られた。正確な数はここでは言えないものの、よくある「投資家に◯◯回断られた」みたいな話と同じくらい断られた。あんなん嘘じゃん、よっぽどセンスないやつだ。と思ってた。全然ほんとだった。自分にもセンスなんてものはなかった。

流石に20回を超えてきたあたりからこれが永遠に続くのかもしれないと思ったし、実際に永遠に続いた。二度と続かないでほしいが、俺たちにはまだシリーズA,B,C,D,Eがある。先は長い。求むCFO。

ぼくはこれまでただの一度だって会社の、自分の超成功を1ミリも疑ったことがない。コロナ禍に会社の口座残高が4桁になった時も「ヤバいかも」なんてミクロン単位も思わなかった。「ウケる、自伝に書こ」としか思わなかった。そんなぼくでも今回ばかりは流石にちょっと、イグジットまで時間がかかるかもしれないと思ってしまった。

ちゃんと体に出た

成功を疑わなかろうが過程としてのダメージはキャンセルできない。恐らく人生トップクラスのストレスで、毎日悪夢で起きてた。最新の悪夢でいうと先週(プレ投資委員会前日)で、友達のしょせまると熊から逃げる夢を見た。しょせは無事ぼくの代わりに熊に喰われた。

悪夢で起きてたうちはまだかわいいほうで、そのうち毎朝4時に必ず胃痛で目が覚めて、吐きそうで寝れなくなる日々が続いた。もう去年の話にはなるのだけれど、これが一番しんどかった。胃カメラを飲んだ。すごいピンクでキレイな胃です、と言われたときは、流石に悔しかった。

そんなときだいぶ救われたのがこの前殴り書いた天風の著書で、ああ、人はこうしたら宗教にハマるのか、というのを身を以て体感した。

苦しい状況で崇拝行為の後に成功体験が発生すると自動で結びつき、逆説的に崇拝行為がないと成功できないと脳が錯覚してゆくような感じ。いまだにドラッグのように毎朝天風を読んでいて、読まないとちょっと不安になってしまう。

ぼくのおしゃれに見える朝活のストーリーはその実、天風様に泣きつく惨めな時間なのである。

周りの人にはだいぶ助けられた

そんな中でもシェアオフィスでよく話を聞いてくれたしぶちんや、飯に付き合ってくれたしょせ、おごり支えのペニージュンにはすげえ助けられたし、こんなぼくにかまってくれる先のステージの大先輩たち(福井さん、飯塚さん)の話や励ましにもすごい助けられたし、淡々と冷静に問題を指摘し続けてくれる株主(レイトン)のおかげで前に進めたし、この人たちとの時間がなければ100%折れてたと思う。

もちろんここに書いていない人たちにも多大に助けられたし、遊んだり飲んだり、間接的にストレスを発散させてくれたみんなにもほんとに感謝してる。俺の愚痴の掃き溜めになってくれてた松家は最近新規事業の包丁が売れているらしく調子に乗っているけれど、裏の努力も知っているから今は調子に乗らせといてやる。がんばれよ。

そういえばしぶちんとした、お互いを救い合う桃園の誓い。「どちらかが限界を迎えたら明朝5時からほったらかし温泉にゆく(相手は例えその日に何があっても断れない)」は結局発動しなかったけれど、割と毎朝「まだ使いどきじゃない、、まだ限界じゃない、、」って感じで、セーフティネットとして上手く機能してた気がする。限界じゃなくても普通に行きたかったのに、限界じゃないと行けない縛りで結局未だに行けていない。

いまはもうそんなみんなといたシェアオフィスはなくなってしまったけれど、1番苦しい時期にあのオフィスにいたからこのラウンドを終えられたと思うし、早くキャピタルゲインでみんなに1人ずつ「何食べたい?」って聞いて、食べたいジャンルの1番高い店に連れて行くやつをやりたい。

そんなこんなで、ようやく次のラウンドに

結果としてこのラウンドはVC3社で超きれいにまとまったし、ラスト1社に関しては前例なしの投資対象&条件でウルトラC超えながらどうにかなったので、正直半分は運要素が強いと思ってる。

ただ苦戦したぶん人として、経営者としてかなり大きく成長できたと思っているし、逆にこのラウンドで労せずに歩を進めていたら、後々かなりヤバかったかもしれない、と思ってすらいる。

「経営者」という言葉を軽はずみに使ってはみたものの、まだ周りのホンモノの経営者を見ていると、自分が経営をする者と言えるようなレベルには全く達していないことはわかっていて、だけど現在進行中で、起業家から経営者に成ろうと正しくもがけているのではないかとも思う。多分。

今は採用もスタートして順調に人数も増えてきているし、それこそ今後はスケールに向けて工場の移管や操業もやっていかないといけない。

やることは盛りだくさん、目が回るくらい忙しい毎日だけど、挑戦できることに感謝して、引き続きがんばっていきまっす。

.

.

.

.

.

P.S. 実は3月末クローズの予定だったので、3月にはこの下書き書いてた。