川端康成の『掌の小説』をゆっくりじっくり読み切ってみたいと思っている。
思い立ったのは2020年。コロナ禍で制限が多く、息が詰まりそうな停滞の日々の中で、なにか少しでも物事を積み重ねる実感がほしいという考えだった。川端作品は好きだし、続けるにはいいかなと思った。
とはいえ本当に気の向いた日、何かの合間にだけコツコツ読んでいた。読んだら簡単な感想を書き、それをTwitterに投稿していた。途中でちょっと飽きたり、これは好きになれないなという作品に気持ちが若干…

そげたり、他に読みたい本ができたりしたらひと休みもしたけれど(かなり…かなり間を置いたことも……)、本当に亀の歩みでなにがしか進めていたつもりだった。コロナ禍が明けた後も。
ただそうやってのんびりやっているうちにTwitterが Twitterでなくなり、それに伴い私もそこを利用するのをやめることにした。ついに先日、さっぱりとアカウントを消すに至ったのだけど、そういえば『掌の小説』が中途半端なままだったのが心残りだった。
ふと、このしずかなインターネットを仕切り直しの場にしようかなあと思いついた。そもそも私の読了記録こそ手のひらに収まるほどのささやかなものだから、毎度タイムラインに投稿するよりは、こうやって人さまの目につくかつかないかくらいのところでちびりちびり連ねていくくらいがちょうどいいのかもしれない。まるきり公開しないとだらだら怠けてずるずる自然消滅しそうなので、読み切りたいという最低限の意思表示をして、あとは気負わず気楽に続けられたらいいなあ。
とりあえずまた1番から…。