中学校ではほとんどの学校で体育祭(運動会)なるものをやる。
体育祭とは
厳密な言葉の定義ではないが、体育祭と運動会ではニュアンスが違うことがある。ローカルルールかもしれないが少なくとも滋賀県と、京都府ではそんなかんじだった。
体育祭は「祭り」重視ということもあり、基本的にダンスとか何かしらの演目がある場合が多い。
一方運動会は、飛んだり跳ねたり走ったり、陸上競技種目メインでチームというよりは個人競技が多い。
もちろん、運動会と名乗っていても陸上競技メインのところもあるし、体育祭と言いながらひたすら走る競技しかないものもある。
やる時期について
9~10月開催のところが多い。
しかし、最近は熱中症の懸念から5月くらいにやる学校も増えている。
またコロナ禍の影響か半日開催のところも増えてきた。
個人的には半日で良いのでは?とか思ったりもするが色々な方向から色々な力が働くので「コロナ」くらい大きな何かがないと変えるのは結構大変だったりする。
体育祭の難しさ
担任をしていると体育祭の難しさみたいなのを感じることが多い。
体育が苦手な子どもへのケア
個人的にはハンデルールを設けると良い感じになる。全員リレーならクラスでn人まではショートカットできるというルールを設けておく。意外と足の遅い子が速い子を抜かして盛り上がる。ハンデルールを使うのに躊躇う生徒への配慮は担任の腕という感じ。普段から「できない = 悪いこと」ではない!という価値観を植え付けておくのが勝負どころ。
「大縄跳び」というやばい種目がある。10人くらいで大きな縄跳びを飛ぶやつ。だいたい3分間に何回跳べたか(累積もしくは最大回数)を競う。
これはハンデルールなどをつけにくいし、犯人探しが行われやすい。できるなら飛べる自信がない人はこの種目に当てないことが大事だったりする。もしくは、大縄跳びを飛ぶ時に担任がいかにハンドリングして笑い合える関係値を作っておくかどうかが大事になる。5月開催だとほぼ無理で、10月開催だと60%くらいの確率でうまくいくという感じ。非常に気を使う競技種目であることは間違いない。
代表リレー走りたがらない問題
目立つのが嫌いな子どもが増えているように思う。(いや、知らんけど感覚的に)。僕だったら代表リレーとか花形競技だから喜んで走るけど、めっちゃ足の速い生徒が嫌がるパターンが結構多い。
取るべき方策は2つで。「諦める」か「走らせる」。
個人的に「諦める」は悪手だと思っていて、足の速い子が走らないとなると色々面倒なことが起きる。具体的に書こうとすると文字数が大変なことになるので割愛。
ということで「走らせる」方向になるのだけど、僕は基本的にクラスが発足してからすぐに根回し(スカウト)しておく。うまくいくかどうかは信頼関係次第だけど、学活で種目を決めてる時にクラスが荒れるのはこういう必要な事前準備をしてないことがほとんど。
勝負にこだわりすぎる
特に体育祭に多いが、1位以外失敗と子どもが思ってしまう現象。
というか、担任にも同じような価値観で生きている人がとても多いように思う。非常に愚かだ。そ
これは、あらかじめ体育祭をどのように行なっていくか、何を目標とするかをクラスであらかじめ話し合っておく必要がある。1位じゃないと失敗なのか?とあらかじめ問いかけておくと良い。
よくあるのが体育祭の下馬評1位だったのに2位になってクラスが荒れだすこと。
逆に1位とってクラスが荒れると言うのもあるあるなんだけど、これはまた別の話。
とにかく、勝ち負けにはこだわりつつ勝ち負け以外の価値を持って体育祭を振り返るようにすると良い。
ちなみに文化祭(合唱コンクール)などでも同じような問題はある。とにかく、学校行事はうまく利用すると学級の安定に寄与する一方で、下手な行事参加をすると学級が一気に不安定になる諸刃の剣感がある。
僕自身は体育祭は好きだけど、別になくなっても良いなとは思う。
担任の力量(順位がよければ良いと言う話ではない)がモロに表面化してしまうと言う意味ではとても残酷な行事だと思う。