2023/12/30近そうでもう遠かった、西麻布。

のだはるか
·

京都から友達が来ていて会う約束。麻布台ヒルズをうろついてから神谷町で食事。そのあと「知り合いがやってるお店があるから」と西麻布に連れてってくれて夜お茶した。

店主が知り合いばかりを集めた忘年会をやっていたらしくて、来ているお客さんがみんな20代後半〜30代前半くらいだった。誰もかれもおしゃれで今っぽくてかわいくてかっこよくて、港区特有の華やかさ…というか派手さがあって眩しかった。みんながお店の中で誰が一番目立ってて誰が一番かわいくてかっこよくてと品定めをしているようで、自分達が誰より素敵だと言わんばかりの存在感と自信を放ちながらそこにいる。SATCのような世界が繰り広げられる西麻布。私も、そういう場の一員であることが誇らしいと思っていた年齢がたしかにあった。だから今があって、もう絶対に戻れない場所。

「京都にはこういう場も人もいないね」と話したけど、そういえば夏に大阪へ行ったとき、フラッと入った中之島のワインバーがどうやら若い世代の女性に人気のお店だったようで、これに近い景色だったなと思い出した。大阪には港区にいるような女の子たちがいる。その中之島のお店、港区から仕入れたというレシピのメニューがあったな。大阪に来てまで港区が追いかけてくる…と真顔になったことを忘れない。

遠くから漂ってくるタバコのにおいをひさしぶりに嗅いだ。飲んでいれば当たり前にある空気のにおいを、もうすっかり忘れてる。

この友達とは何年も六本木か西麻布で遊んでいたのに、帰ってからの連絡で「もう西麻布しんどいね」と話して笑ったのだから遠いところに来た。自分は何年経っても何も変わらないつもりでも、少しずつ少しずつ変わってく。少しずつ。今年一年、そういう年だった。「時間が解決してくれるよ」なんて、時間で解決済みの人があがりの状態だから言える言葉じゃんと思って恨んでいた事があった。でも気がつけば「時間が解決してくれてるな」と思えるようになってて、暗く重かったものを2023年に置いていけそうな気がしてる。