マーモットという動物をご存知だろうか。
山岳地帯に生息しているリス科の動物で、毛むくじゃらでずんぐりむっくりしていて、結構大きい。最古の記録は紀元前まで遡る。現在は中央アジアやヨーロッパに分布しているそうだ。
実は私はこのマーモットという動物にメロメロになっている。存在を知って間もない頃は、時間を忘れて狂ったようにYouTubeで海外の方が投稿しているマーモットの動画を観ていた。X(旧Twitter)やインスタでも彼らの写真を見まくった。
彼らは群をなして暮らしているそうだが、時に仲間と取っ組み合いをしたり、短い後ろ足で立ち上がったり、突然フリーズしたり、人懐っこかったり、野菜を抱きかかえて食べたりと、見ていて飽きない。癒される。丸々とした顔も齧歯類らしい愛嬌があるが、どことなくすっとぼけたようにも見え、それがたまらなく好きだ。
マーモットに会いたい——いつしかそんな思いが膨れ上がっていた。彼らに会いたかった。しかし、彼らの生息地は遠い海の向こうだ。すぐに会いたいのに会えない。天の川に阻まれ、大好きな彦星に会えない織姫もこんな気持ちなんだろうか。居ても立っても居られず会える国を探した。マーモットは私の住む日本と同じ北半球のどこかで、今この瞬間も片手で仲間を押しやって牽制し、人間から餌を貰おうとしているかもしれないと思うと熱い思いが込み上げる。
だが、ひとりで海外旅行となると色々不安もある。ああでもないこうでもないと考えるうちに半年が経った。
いつものようにYouTubeでマーモットの動画を観ていると、ある動物園が投稿した動画がおすすめに出てきた。
マーモットは日本では見られないとばかり思っていたが、なんと日本でもマーモットに会えるらしい。雷に打たれたような衝撃を受けた。早速検索した。マーモットがいる動物園、それは静岡県にある「伊豆シャボテン動物公園」だ。
私は千葉県民だが、こんな近くにマーモットがいるとは思わなかった。会いに行くしかないと思った。悲しいことについ最近持病の関係で自宅療養になってしまったので、病状が安定して主治医から許可が出たら、憧れのマーモットに会いに行きたいと思う。その時が楽しみで仕方がない。生のマーモットを見て喜びのあまり気絶しないようにしたい。