HONNE

浅倉ルネ
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作成:2024/7/1
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他者に本音を言うのがあまり得意ではない。

「言ったところで理解してもらえるものではないし、言う必要もないから言わない」と自分の中で完結する。それゆえたまに爆発して過呼吸になったりする。

相棒に「自分の内面は腐ったトマトか嘔吐物だと思っている」という話をしたら、「吐きもせずに嘔吐物というのは違うのでは?吐いてこそ嘔吐物だよ」と言われた。確かにそう。言いもしないことを察するなどまず不可能だし、私も別に察してほしい訳ではない。

多分リターンが怖いのだと思う。それをぶちまけたとして、相手から何を言われるか、それを勝手に想像して尻込みしてしまう。だからSOSが出せないし、自分から出さない。

自分の気持ちを無視して、本音はどんどん内側に溜まっていく。そうしているうちに忘れてしまったり、フラッシュバックや過呼吸として表れたりする。自分の気持ちが抑えられなくなって、年甲斐もなく号泣したりする。ひどい時には希死念慮が現れて、死のうと試みたりする。

家入硝子が言っていた。「どーせ誰も理解してくれないって腐るのもそれなりに子供だと思うけど?」ごもっともだ。本当にそう思う。私はまだまだ子供だ。

「何にしたって、吐けよ」と相棒に言われた。ちゃんと言える日は来るだろうか。いや、そのためには私自身が変わらなければならない。

ちゃんと、言わなきゃ。

「浅倉さんの口は何のためについてるの?」と、前職の先輩に言われたことがある。俯いてばかりで、何も話そうとしなかった私への、呆れを含んだ物言いだった。今思い返すと、あの頃の私は今以上に自信がなかった。何を言っても怒られると思っていた。そういう、命かかった現場なのは分かっていたけど、チームプレイがとことん苦手で、何かひとつ口に出せば怒られる毎日があったせいだと思う。そうでなくても普段から口数は少ない(最近ようやく増えてきた)方だったから、「この子は何を考えているか分からない」とよく言われていた。加えて言われたことを脳内で処理するのがド下手だったのも相俟って、しょっちゅう泣いていた。思ったことを口に出せずに、喉の奥で詰まったこともある。

言いもしないことをゼロから汲んで察するのなんか不可能だ。全知全能の神でもそんなことはできない。それは分かっている。分かっている筈なのに、未だに内側で燻らせている。最近は日記に書いて清算することも増えたけれど、それでも口に出す方が効果覿面だ。音読でもしてやろうか。

言いたいことを婉曲表現で伝えようとするのも良くないのかも知れない。無意識にバリアを張っている。防衛機制のようなものだ。何重にも張り巡らしたバリアで、自分の心を守っている。これでは吐くに吐けない。指突っ込んでも深淵には届かない。

向き合わなければ。少なくとも相棒には。正面向いて、話さなければ。実るものも実らないし、花は咲かない。頑張ろう。もっと己をさらけ出せ。

@haruyasume
備忘録 INTJ 4w5 Queer icon:廣瀬ふぶき様 本拠地:bsky.app/profile/haruyasu.me