眠前日記0304

浅倉ルネ
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公開:2024/3/5

朝方、入院中の父の容態が良くないと、母の方に連絡が来た。

父は約5年前に階段から転落し、急性硬膜下血腫と外傷性クモ膜下出血の後遺症で入院中で、誤嚥性肺炎を頻発し、時折命の危機に瀕していたのだけど、その度に乗り越えてきた。

だが、今回ばかりはそうはいかない。SpO2(酸素飽和度)が測れず、呼吸状態の悪化が見られたというのだ。それで母に連絡が来たのだけど、母は仕事を抜けられず、LINEのメッセージを読んだ私は、面会に行った方が良いと判断した。丁度弟が仕事を早退できると言っていたので、祖父も連れて、一緒に病院まで面会しに行った。

確かに、父の呼吸はか弱いものだった。

主治医から話を聞き、先月命の危機に瀕した時のレントゲン写真と今の写真を見せてもらった。先月の肺は真っ白だったけど、今の肺はそこまで影が見られない。けれど、呼吸状態があそこまで弱ってしまったら、もう長くは持たない。横隔膜の機能も落ちてきているし、生きるのをやめようとしているようです。主治医は、淡々とそう仰った。

覚悟はしていたことだし、先月の誕生日も何とか迎えられて、ここまで5年近く、よく頑張った方だ。階段から落ちて、頭を打って、その時点で終わりだと思っていたから、本当によく生きたと思う。頑張った。

以前の私だったら、ひどく取り乱して錯乱していたかも知れないけど、今日の私は、驚くほど冷静に受け止めていた。仕事柄、空へ旅立つ人を沢山見送ってきたからかも知れない。それが父の元へ来ただけだ。

もう少しだけ、長生きしてほしい気持ちもあるけれど、そこはもう本人の体力次第だ。どんな結末になったとしても、私は受け入れて、前に進んでいく。そのつもりで、父の思いも背負って、生きていく。

@haruyasume
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