気づいたら「コミュニケーションが上手」と言われる人になっていた私が意識していること

はしくち
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公開:2025/12/2

これは「株式会社カオナビ Advent Calendar 2025」9日目の記事です。

システム開発はほぼ例外なくチームワークです。チームで仕事をするうえでコミュニケーションが重要なのは言うまでもないでしょう。

幸いなことに、わたしはチームメイトから「コミュニケーション力の高い人」という評価をいただく機会が多いです。プライベートでも友人から「コミュニケーションのコツを教えてほしい」と頼まれることがあるほどです。

しかしながら、わたしは自分のコミュニケーション力が高いとは決して思っていません。むしろ低い方の人間だと認識しています。大学生時代のバイト先、友達がひとりもいませんでした。知らない人だらけの立食パーティ、会場の片隅でじっとしていることしかできません。

そんな自分からすると「コミュ力が高い」という評価をいただけるのはかなり面映ゆいですし、むしろ不思議な気持ちすら覚えます。わたしなりに分析するならば、数多の失敗が行動の修正を促し、気がついたら「職場でコミュニケーションがうまいと思われる」人になっていたというのが実態ではないかと思うのです。

この記事では、私が日頃、仕事におけるコミュニケーションについて心がけていることを自分なりに振り返ってみます。

わたしが仕事で意識しているコミュニケーション

1. にこやかに丁寧語で接する

すでに齢40を超えた私ですが、相手の年齢やキャリア関係なく、丁寧語で接するようにしています。言葉遣いによって上下関係が発生するのが好きではないのです。常に周りから「話しかけやすい人」であるように心がけています。

また言葉遣いだけ丁寧で態度がぶっきらぼうだと、それはそれで怖い人になってしまいますので、できるだけ「にこやか」な態度でいることも大事だと思っています。ビデオ会議での表情はもちろんのこと、テキストでも絵文字を入れたり Slack ではリアクションを積極的につけたりするなどして柔らかい印象になるように気をつけてます。

Kind words can be short and easy to speak, but their echoes are truly endless.

優しい言葉は短く、簡単に口に出せる。しかしその響きはいつまでも残る。

ーー マザー・テレサ

2. 軽率にボイスチャットに誘う

「あの人と相談したいな」「この疑問、あの人に聞いたら解決するかな」と思ったときは、躊躇なくボイスチャットをお願いすることにしています。テキストでやり取りするよりも速く結論が出ますし、声で話したほうがお互いの心理的距離も縮まります。

Slack を使っている現場であれば「ハドルに招待」という、ビデオチャットへの参加をリクエストする機能があるので活用してみてはいかがでしょうか。勝手に招待されるの迷惑かなと最初は思うかもしれませんが、意外とそんなことないみたいですよ(迷惑だと言われたらごめんなさいすればOKです)。

The most efficient and effective method of conveying information to and within a development team is face-to-face conversation.

情報を伝えるもっとも効率的で効果的な方法はフェイス・トゥ・フェイスで話をすることです。

ーー「アジャイルソフトウェアの12の原則」より

なお、明らかに忙しそうにしている人とは普通にテキストでやり取りしましょう。大切なのは使い分けです。

3. 「わからない」「困った」「助けて」を積極的に言う

わかったふりをして良い結果になったためしがありません。各種用語にせよ開発手法にせよ、「わからない」という意思表示は積極的にするようにしています。

よく「入社して3ヶ月間は何を質問しても良いボーナス期間」などといいますが、何年経っても知らないものは知らないし、わからないものはわからないので、疑問に思った時点で素直に質問したらよいのではないでしょうか。

「〇〇さん、そんなことも知らないんですか!?」と蔑まれたとしても気にすることはありません。ちょっぴり恥をかいて、たくさん学べばよいではないですか。

Better to ask the way than go astray.

道に迷うより、道を尋ねるがよい。

ーー 英語のことわざ

「困った」や「助けて」も同様です。ネガティブな報告、特に「自分が無能と思われるのではないか」と心配になるような発言はしにくいかもしれませんが、自分で抱え込んでチーム全体に迷惑をかける方が大問題なのは明らかですね。

積極的に「助けてくれ〜」と声をあげることで、他の人も「助けてくれ〜」と言いやすくなるんじゃないかな、とも思います。

身も蓋もない話: 「相手が受け入れてくれる」からコミュ力が生まれる

最後にちゃぶ台返しをするようですが、わたしが周囲からコミュニケーションが上手いと評価してもらえる理由、それは周囲が私を受け入れてくれているからにほかならないと思うのです。

いくら話の面白いお笑い芸人でも、身内だけで楽しんでいる飲み会に乱入して漫談を始められたら、ただ迷惑なだけでしょう。

現在の職場に置き換えれば、まず、チームが自分のような人間を探してくれていた。そこに運よく自分がジョインできた。メンバーの皆さんが私を受け入れてくれ、私自身もその期待に応えようと動き、良い人間関係を構築できた。それに尽きるのではないでしょうか。

普段一緒にお仕事をしてくださっている皆さんへ、そしてこの記事を最後まで読んでくださった皆さんへ心より感謝申し上げ、お開きといたします。

Communication is the API between humans. Keep your interface friendly.

コミュニケーションは人間同士のAPI。インタフェースはフレンドリーに。

ーー ChatGPT5.1による架空の格言

よいお年を。