なにか大きな出来事があったときには決まって雨の絵を描く。誰かの不幸な出来事を自分の心の中で受け止めるのは難しい。自分の性格はどちらかというとニュースに繊細に反応して騒ぐほうだと思う。たいていの信用のおける身の回りの人たちはなにかあっても絶対騒いだりしないし、普段通り過ごしているように見える。
昨日は誰かにとっての最悪の日だったであろうし、今日も世界の誰かに不幸が起きている。そしてきっと明日も。空気中に満たされた水滴のように目に見えたり見えなかったりする。ひとまず自分の生活をしっかりやること。それを確認するために絵を描くのだと思う。