いくら泣いても願いは叶わない。分かっているのに。小説を書いている。友人が興味を持ってくれた内容のもの。読んでほしいと願っても、それは叶わない。なんでもっと早く始めなかったのか。どうしてもっと行動できなかったのか。日が経つにつれて悔やむ思いが大きくなっている。あって当たり前の物、いて当たり前の人がいなくなる。それはどこにでも起こる事で、たまたま私がそれを経験しているという事なのだろう。私よりも辛い思いをしている人だってきっとたくさんいる。人の思いは人のもので、いくら想像しようと思いやろうと、自分の心は自分でどうにかするしかない。好きな事があると、いくらか救われた心地になる。私はおそらく、書く事で気持ちを吐き出し、整理整頓しているのかも知れない。それでも、泣いてしまう。例えば、私の祖母ならどうするだろうか。いつも明るかった。たくさん別れを知っているのに、明るかった。聞きたくてもできない。そんな時は手紙を見る。祖母の目には私はどう見えていたのだろう。友の目には私はどう見えていたのだろう。如月の、くもひとつない、祖母の目よ。