10万文字書けなくても

hatsuhanaduki
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文章を書く事が趣味だ。いわゆる二次創作というものである。始めたのはそう早い年齢ではないがもう十年は過ぎた。まだ十年というべきかも知れない。時々十万文字書けた、という話を聞く。少し羨ましい。私は十万文字を書いた事がまだない。どう書いたら十万文字になるのか分からない。ネットなどでは十万文字超えてると読む方が嬉しい、などという声も聞く。十万文字を書かなければ読んでもらえない、そう思う時もあった。ただ、人には向き不向きもある。十万文字を超える長編を得意とする人もいれば、短歌やSNSで見られるSSを得意とする人もいるだろう。自分はどうかといえば、書いている内に一万文字は超える事が多い。多分、そのくらいがちょうど良いのだろう。大事なのは書きたい事を書く事だと最近は考えている。書きたい事を書いた結果が十万文字を超える。そういう事だと思う。結果を目的とするのではなく、目的は自分の好きを書く事。文字数は結果だと思う。十万文字を超えられない壁だと感じ、肩身の狭い思いを勝手に感じていた事もあった。書けない自分はこの界隈で生きていけないと思い詰めた事もあった。例えば、このジャンルが地域のようなものだとしたら、自分は端っこで細々と畑を耕しているのだ。遠くには高層ビルが見えている。あちらが賑わっているのが伝わってくる。だけど自分はそこには行けないのだ。だけども、この小さな畑を覗きに来る人も少しいてくださる。そういう人に畑で作った野菜を分けてあげる。持ち帰ってもらって美味しく食べてくださればそれはとても嬉しい事なのだ。周囲に流されず、自分の好きを書き続けていれば、どこかの誰かが見てくれる。最近はそう思う。だから、本当に書けなくなるまでは、私は書きたいものを書くだろう。

@hatsuhanaduki
初花月。気が向いた時に何か書きます。