人生で初めていわゆるボイスコンテンツ(ドラマCD系も含めて)を聞いたんですけど、初めてが小柳さんのボイスでよかったなあ……ってしみじみ思いました。
なんていうか、これはボイス本編の感想にも通ずるところがあるんですけど、誰か――この場合は小柳さん――が、自分というか受け手の方に対してある種の思いを尽くしてくれていることを感じられるのって、こんなに心が満たされるんだなって…… たぶんそういう言葉選びがいわゆる糖度にあたるんだと思うんですけど、小柳さんって普段から配信で思ったことが口から全部出ちゃうタイプのストレートさがある人だなって感じていたので、そういう人柄的な前提があって糖度の高い言葉とかシチュエーションを衒いなく受け取れたのもちょうどよかったんだろうな。
以下EX含めたネタバレ込みの感想です。ボイスにおける相手役は便宜的に「わたし」と表記しています。
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EXまで聞いて、最後に出てきた敬語の小柳さんに思わず「システムメッセージじゃん……」って呟いてしまったのをここに懺悔します。でもそれくらい他人行儀に感じられてほんとうに面白かった。
「わたし」への態度はだいぶ砕けているわ「わたし」にちらつかせる手段がことごとく直接的だわで普段の素行はあまりにも不良執事なんですけど、だからこそEXのシステムメッセージ小柳があまりにも映えるし、そういう手段を取れる人があえて、あるいはそちらの方が好ましいと思っているために結局望ましくはない直接的な手段に出ることにした本編の様子も引き立ってすごくよかったです。ちょうどちょっと前の配信でゲーム音とかがないときの配信BGMを時計の音にしてたことがあったんですけど、なんかそういう感性が見えた気がした。
それと、個人的にボイス内の小柳さんがいわゆる世間一般における忠義みたいなものをずっと理解してなさそうだったのがめちゃくちゃ好きです。なんていうか、小柳さんって本人の気性がストレートだからこそ、さまざまな複雑なもの(それこそ料理とか)に翻弄されてる場面がおいしいな……って思うタイプのドクターなんですけど、それをすごく感じましたね。少なくとも本人の認識においては、社会的な立場を認識した上でなお「わたし」との関係は忠義というより好意によって成り立たせていると考えていそうなところが、ある意味でめちゃくちゃきっぱりしてて信頼が置けるなあって。ボイス内の「わたし」の境遇的に、そばにそういう人柄の小柳さんがいるのは助かるだろうな。あるいはメタ的な聞き手にとっても、そういう直接的な言葉をぶつけられると救われる部分はあるなあと思います。
あとは演技の話なんですけど、節々に感じる擬音、息遣いやぼやきが配信で見る小柳さんの姿を彷彿とさせたりするのが、演者を知っている人間が聞くボイスコンテンツとして癖がなくていいなあと。台詞ひとつひとつに対しての解釈とか、感じたものを声色に閉じ込める技巧とかがしっかりしていて、普段の小柳さんに感じている魅力がボイスでも変わらず感じられたのが嬉しかった。わたしは普段配信を見ていて感じる小柳さんの好きなところのひとつに、(この感想でも何度も言及しているように)とにかく思っていることがわかりやすい、ストレートに出てくるところがあるんですよね。このボイスでも、小柳さんがこういう感情を伝えよう!って思ってくれたんだろうなって考えるとすごく心が満たされるなって…… 小柳がこの内容について考えてくれたであろうことが嬉しい。
全体的に、演技としてのバランスと小柳さん本人の人柄がうまく混ざっていて、聞く側としてはほんとうに満足度が高かったです。甘い甘くないとかそれ以前に、作品としてめちゃくちゃ好きだ…… 冒頭でも言ったけど、初ボイスが小柳さんの作品でよかったです。わたしも良いベッドで寝て小柳に罵倒されたい。
それはそれとしてボイスを聞いて小柳さんの演技というか声の聞き心地のよさにめちゃくちゃ溶かされてしまったので、いつか小柳さんがわれわれのことを「ドクター」って呼んでくれるボイスをお待ちしております。いや聞くところによると誕生日ボイス2023にはその要素があったらしいんですけど、あれはわれわれリスナーの呼称じゃなくてガチのドクターに対する内容らしいので…… わたしは小柳さんのリスナーに対する「ドクター」呼びが大好きです。