昔バンドをやっていたのですが、その時期に何を思ったか現代音楽家の方に作曲を習いに行っていたことがあります。
その先生に問われたことがあります。
「物語とは何だと思う?」
僕は「ストーリーのことですか?」とか見当外れなことを言った気がしますが、
先生は「物語とは、『物が語る』ことだ」と言いました。
「物語る」という言葉があります。
例えば推理物で「この花瓶の倒れ方が他殺であることを物語っている」などとして使われます。
つまり、「モノ」が何らかの情報を伝えるという時に使われます。
先生曰く、音楽は音楽以上でなければならない。音楽というモノが音楽以上を語らなければならない。音楽は物語である必要があるのだ、と言いました。
僕は頭をトンカチで打たれた気がしました。
僕はこの考え方に非常に影響を受けています。
今でも、プログラムを眺めたとき、UIを見たとき、文章を読んだときに、それそのもの以上の何かを感じたとき作成者を尊敬してしまいます。
物を語らせることが出来る人こそ、すごい人なんじゃないかと思っています。