5歳になった長男が、2023年にサンタさんに頼んだものが「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」だった。2022年にサンタさんに頼んだものが「星のカービィ スターアライズ」だったことを考えると順調に成長している(ちなみに彼がはじめてちゃんとやったゲームは、わたしが特になんでもない日に買ってしまった「星のカービィ ディスカバリー」である)。
とはいえアラサー世代にとってマリオに対する印象は「死にゲー」である。アクションゲームの金字塔であり、最初に「何度も死んで、挑戦し続けて覚える」を教えてくれるのがスーパーマリオシリーズだ。わたしの実家に帰ったときに長男はなぜか毎回「スーパーマリオ ギャラクシー」をやっているのだが(Wiiがあるため)、序盤は問題ないものの、途中のステージから難しくなって「おじいちゃんやって!」になっている。「マリオシリーズが面白いゲームであることには違いないが、さすがに5歳には早すぎるんじゃないか」というのがわたしの懸念だった。やはり面白いゲームは、勧める相手が「面白い」と思うタイミングでやってもらわないと魅力がなかなか伝わらないものだと思うし、それをきっかけに「このゲームは前やって面白くなかったから」と思ってほしくない……というのは完全にオタクのエゴであるが、自分の子どもにも「面白い」と思うタイミングでやって、是非ゲームを心の底から楽しんでほしいのである。ということで「5歳にマリオ、大丈夫だろうか…」と心配になりながらも、「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」をサンタさんに持ってきていただいた。結果としては、これが大正解だった。
「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」は好きなキャラを選んでプレイできる。このうちマリオ、ルイージ、ピーチ、デイジー、キノピオ、キノピコまでは能力が変わらない(ここも新しいポイントだと思う。今まではキャラによって特徴があったはず)。ただし、ヨッシーとトッテンはちょっと違う味付けになっている。まず、ヨッシーとトッテンは敵に当たってもダメージを受けない。そして、ヨッシーだけは最初から二段ジャンプができる。つまり、アクションゲームが苦手な人はトッテンやヨッシーを選んでね、という設定になっているのである。ただし、ヨッシーやトッテンは今作の特徴である「特定のアイテムを取ると特殊能力が使える」能力を持っていない。なので、CMなどで出てくる「ゾウマリオ」のようになりたければ、マリオなどを使うしかない。ここの味付けがものすごく上手い。
長男は基本的にはヨッシーを使っているが、一度クリアして自信がついたステージや特殊能力を使いたいステージでは、ピーチを使っている。「やや本格的なアクションゲームははじめてだけど、かんたんなキャラを使って自信がついたから、クリアがちょっと難しくはなるけど、よりプレイしてて楽しいキャラを使う」というステップアップが自然にできるし、やりたいと思えるような設計になっている。
そして、全部のステージがヨッシーやトッテンでクリアできるかというと、そうなってはいない。一部のメインストーリーのクリアには関係しないステージや、隠しゴールに辿り着くための仕掛けなどを解くには、マリオやルイージなど特殊能力を使えるキャラクターではないといけないステージもある。「クッパを倒すだけならヨッシーだけでもできるけど、よりやり込むなら別のキャラを使わないと」ができているのもすごい。
そして何より、長男はとてもマリオを楽しんでいる。やはり操作に対するフィードバックがマリオは世界一良くできてると思うし、ちょっとした仕掛けに対して「何かあるな」と思わせる力がすごい。それに、最初はどうにも上手くいかなかったステージが最後までクリアできるようになったとき、「できたよ!」とニコニコこちらを見て報告してくれる姿が眩しい。「粘り強くやればできるようになる」を教えてくれるマリオは、今も顕在なんだなと思って、一ファンとしてとても嬉しかった。
でも「レッツ!ステップ!ジャンピング!」の難易度はあまりに昔のマリオ過ぎて泣きそう。残機が減らないのがやさしさではあるとは思うけど、頑張ってクリアしたいと思う、親が。こういうのができないと親の沽券にかかわるのだ(?)。