「次世代 Web カンファレンス 2023」に参加、登壇させていただきました!
こちらはその感想ブログです。仕事ではなく完全に趣味で書いてるので、誤字脱字があったら見なかったことにするか、そっとTwitterで教えてあげてください。
そして最初に、主催のJxckさん、会場スタッフの皆さま、セッションに来てくださった皆さま、本当にありがとうございました。
「Web」の切り口でいろいろな話がたっぷり聞けて本当に楽しかったです!
参加したセッション
A11yとDesign Technologyのセッションを参加させていただきました!
子どもの発表会と習い事への送迎をこなしてからの会場着だったので、最初の時間帯のセッションが聞けなかったのが本当に心残りでです。アーカイブで見させていただきたいと思ってます。
あと自分が登壇していた時間帯にやっていたFrontend Architectureのセッションで、チームトポロジーでいうイネーブリングチームとして何ができるかみたいな話があった(?)らしいのをTogetterで見ました。すごく気になってます。
A11y
A11yの歴史を紐解きつつ、どんどん話が展開されていったのが非常に面白いセッションでした。
セッションがはじまる前のアイスブレイクとしてしていた自己紹介の時間、「どんなエスニシティか」「どんな服を着ているか」などの見た目の説明があったのも、わたしにはすごく新鮮でした。「確かにその情報すごく重要だな」
「細い文字や低いコントラストが流行っていたあの頃、『それじゃ読めないですよね?』を言うためにA11yを勉強して武装した」というお話がすごく刺さっていて、本当にすごくいい勉強の仕方だし、そういう風に胸を張って言うために公的な基準としてそういったものが存在していないといけないんだな、と思ったりしました。
わたしは当時、細くて小さい文字や低いコントラストで<br>を多用するような、今思えばアンチパターン全盛り!みたいな個人サイトを拙いHTMLで作っていたことを思い出し頭が痛くなりました。こうやって頭が痛くなれるのも知識を得たからなのでよかったことにします。
「新しい技術によって新しく障害が生まれる」話、「障害は社会の側にある」話とも繋がるなと思ってとても面白かったです。そしてその社会との差を埋めたり越えたりする作業には終わりがない話も。
Design Technolgy
「デザイン」と「エンジニア」の狭間の新しい役割として、すごく領域を探っているなというところだったり、あるいは「名前がついていなかっただけで既に存在していた」役割である…といった話をしていくのが非常に面白いセッションでした。
世代としても学生〜ベテランまで居て、様々な考え方が交錯するのが興味深かったです。一回社会に出る(というか学生をやめる)と学生のときの気持ちをすぐ失うな…と思いました。
こちらをきっかけに登壇者のuさんの「新コべき論」を読ませていただきました。とても面白かったです。
https://note.com/uknmr/n/naadbfbe8dc44
他社のデザインシステムを読み込まなきゃな〜と思いながら全然できてなかったので、このセッションを聞いてはやく読み込まなきゃ…!と気持ちを新たにしました。頑張ります。
登壇したセッション:Technical Writing
Technical Writingのセッションに登壇しました。
普段「自分が話すこともないしなあ」と思ってあまり外部のイベントに登壇せず、Meetupなども聞き専だったのですが、今回ひたすら「議論する」をやるのは本当に楽しかったです!
しかし「聴衆を置いてきぼりにしていい」と言われてもやはり伝わったかどうかが気になってしまうのがテクニカルライターの職業の性質といいますか…楽しんでいただけたでしょうか。登壇者の方はとても楽しかったです。
延長戦部屋でAI活用の話などをしていたのですが、Copilotと仲良くなれる人と仲良くなれない人の話が出てきて面白かったです。もうちょっとCopilotくんと仲良くなりたいです。
以下はなんとなく説明しきれなかったな〜と思っていることの補足です。
翻訳しやすい文章とわかりやすい文章は両立するのか?
「テクニカルライターが社内にいる価値」として、「翻訳しやすい文章がある程度書ける」といった話をしました。これに対して「わかりやすい文章=翻訳しやすい文章ではないのでは?」というコメントがあると思います。
これに対しては「イエス」であると同時に、とはいえテクニカルライティングの基本を守った文章というのは、基本的には翻訳しやすい文章になっていることが多いです。
わたし自身が翻訳がある文章に関して気をつけているポイントの一部としては、下記になります。
日本語は言語の中でもかなりハイコンテクスト(読者に「文章通りをそのまま受け取る」ではなく、コンテキストを受けた「深読み」をさせがち)な文章を書く言語であることを自覚する
できるだけ曖昧かつ多義的な意味にとられる動詞を使わず、明確な動詞を使う(「対応」「確認」「検討」「対象」などを使ったらもっと具体的に言い換えられないか考える、というようなことをしています)
一つの文章で一つの意味に取られるようにする。多義的に受け取られる文章は翻訳が困難かつ誤訳に繋がる。そして日本語は多義的な文章をとても書きやすい言語である
これは意識していても、「翻訳する文章としては」曖昧な文章をたまに書いてしまうことがあるくらい難しいところです。
また、日本語だとある程度曖昧に書くことが相手への配慮として受け取られ、特にお客様向けの文章である場合に歓迎されることもあります。
変に曖昧な表現にしてはいけない、3C(Clear, Correct, Concise)を意識して書くことが大切なんだ、ということをいかにステークホルダーとコミュニケーションして、かつ成果物として体現できるか、がテクニカルライターの意義であり職能であり面白いところの一つなんだと思っています。
なお、ローコンテクストなことが是とされる文化圏だと、曖昧に書くのは大変嫌がられる(「だから何?!」となる)とのことです。
今後聞きたいし話したいと思ったi18nやl10nのこと
今回もとても面白かったのですが、わたしが今後聞きたいしもっと話したいなと思ったのは特にUI文言のi18nやl10nでした。
こんな話が聞きたいな…と思いました。
日本語を起点にしてると単数と複数で違いがある言語に翻訳したときにうまくいかなくないですか?(「1 apple」「2 apples」にしたいのに「1 apples」になってしまう)
ユーザーが可変で入力できる文言をメッセージの文章内に含めると、女性名詞や男性名詞がある言語で詰みません?
文言リソースが「美しい」「UI」のようにぶつ切りで分かれてて、「UI」「美しい」の語順で表現しなきゃいけない言語でどうしようもなくなった
もちろん上記を避けるための(コーディングする上での)フレームワークや、もしくはUI文言上での書き方の工夫など色々テクニックのある現代なのですが、この辺の話ができる人がいたらわたしが話を聞きたい…!と思いました。常々悩んでます。誰か助けてください。
とはいえ次の次世代 Web カンファレンスはあるのかな、ないのかな、わかりませんが、また次回あったらまた一参加者として伺いたいな、と思いました!楽しかったです!!