散骨

昼過ぎから家族全員でこたろうの散骨へ。こたろうが好きだった散歩コースに沿って少しずつ骨を撒いていくことにした。

骨壷は真っ白で片方の手のひらに乗るくらい小さい。「こたろうがうちにやってきた時くらいのサイズになったね」と義弟に言うと、懐かしそうに頷いてくれた。

こたろうはまだ9歳だったから、骨がしっかりしていて硬い。撒くには大き過ぎる欠片もあったから、皆それぞれ小さく手で割っていく。その硬い手触りが若くして亡くなってしまったことをより実感させた。

骨は桜並木と、中庭と、家の前の土手に。撒いていくうちに、私はどうしても涙を止められなくなった。両親はどうにか堪えていたようだったけど。

外はすっかり春めいて暖かくて、風が気持ち好い。家族みんなで散歩するなんて何年ぶりだろう。こたろうのおかげで家族が一緒に揃ったよ。さんちゃんは元気に皆の先陣を切ってのしのし歩いていたし、こまちとアヴァンは立派なうんちをして健康そのものだ。悲しいけど幸せな時間でもあった。

こたろう、お母さんの夢に出てきたんだってね。そばにいるよって言ってくれたって聞いたよ。私の元にも、子犬の姿で会いに来てくれたね。私たち家族のこと、見守っていてね。そらやももちゃんやくうちゃんたち先輩の皆とも仲良くね。

いつか、ともさんとも一緒にお参りしに行くから、その時はよろしくね。