義母から筍を分けてもらったので、せっかくならば美味しく楽しく食べたいな~と筍を如何に料理するか数日考え巡らしていた。筍ご飯にするか炒め物にするか、はたまた他の料理かと悩んでいたタイミングで毎日のようにツイッターアカウントを覗いては辻いいねしている作家の椹野道流先生が筍の味噌炊きの写真を上げてらっしゃるのを目にした。
椹野先生はどうやら #筍は味噌で炊け とのタグを付けて毎年春に筍の味噌炊きを作る様子をツイートしておられ、フォロワーの皆さんも真似して味噌炊きを味わっている方々もたくさんいて、味は大好評のようだ。
私自身筍は大好きで、旬の時期になれば筍ご飯やら天ぷらやら大いに楽しんでいる。しかし味噌炊きは食べたことがない。もちろん作ったこともないのでどうしよう、失敗するかもしれないけど、椹野先生やフォロワーの皆さんを信じてチャレンジしてみるか!と意気込んで作ってみることにした。
先生のレシピツイートを参考にしつつ、義母が下茹でしてくれた筍、こんにゃく1パック、豚のウデ肉300gを用意。こんにゃくは下ごしらえとして手網にし、あらかじめ3分ほど茹でた。
鍋にひと口~ふた口大に切った筍と、水500ccを入れて沸騰させる。煮立ったらこんにゃくと豚肉を投入し、砂糖大さじ2、みりん大さじ2、ふだんの味噌汁で使うよりも2倍くらいの量の味噌を思い切って溶かし入れる。あと茅乃舎だしも1パック。だしはパックを切って中身を振り入れた。再び煮立ったら灰汁を取って、落し蓋をして20分ほど煮込んでいく。
時間が来たら火を止めて、あとは数時間置いて味を染み込ませる。調理に使用したレミパンは長時間料理を放置するとダメになってしまうので、一旦当日夜に食べる分を大皿に、2日目に食べる分を丼に移した。このタイミングで味見してみたら、煮汁に程よく筍の風味が移っていて、しょっぱ過ぎるかもと心配するほど溶かした味噌の量を感じさせないくらい塩加減もバッチリ。夜食べるのがますます楽しみになった。
数時間後に夫が帰ってきてすぐ大皿を見て、味噌炊きなんて珍しいねとちょっと驚いていた。好きな作家さんがレシピを公開していてさ~と説明したところ、見た感じ美味しそうだから楽しみだと喜んでくれた。助かった。一応豚肉を多めに入れといたからねと夫が喜びそうな情報も追撃しといた。
さて、いざ食べてみよう。まず手網こんにゃくをひと口食むと、ほんのり味噌が染みている。下茹でしたおかげか臭みはほぼ無い。次に筍。シャキほろの食感と独特な香りにああ、私は春の筍を食べている!という喜びがじわっとやってくる。やがてひだに溜まった煮汁がジューシーに口の中に広がって、思わずご飯をかき込んだ。豚肉も煮汁がしみしみで、これまたホワホワの温かいご飯にめっちゃ合う。初めて食べるものなのに、なぜだか懐かしさも感じる味わいだと思った。
2人で半分以上を夢中で食べたところで、味噌炊き作ってみて良かったと思わず呟いてしまった。初めて作ると決めてずーっとうっすら緊張していたんだけど、想像以上に美味しくて心からホッとしたからだ。そのあと、夫に煮汁をご飯にかけて食べても美味しいらしいよ~とニヤニヤして伝えたところ、早速実行していた。もちろん私もやってみたが大勝利マリアージュであった。味噌とご飯が合わんわけないもんね。
2日目の味噌炊きはさらに味噌の煮汁が具材に染み込んで、これまたのたうち回るくらい美味い。汁かけご飯も言わずもがな堪能した。本当にチャレンジしてみた甲斐があった。椹野先生、レシピをご教示くださり本当にありがとうございます。食卓がまたひとつ豊かになりました。
今回の味噌炊きは、実家の父方親戚から分けてもらった田舎味噌を使ってみたが、他の味噌だとどんな感じになるのかな~と好奇心が湧いている。大好きな沖縄の玉那覇味噌や、長野のひかり味噌でも作ってみたい。