そう、私はケア責任から逃げてこなかったのだ。

heidi
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過去の出来事を乗り越えたくて友人に話を聞いてもらったら、動画が送られてきました。20年以上も誰にも話せなかったことを表に出したからか、なんだか心も身体も疲れ切ってしまって、数日ぼーっとしていました。そんな何もしたくないある日に、ふと見はじめて、ハッとして書き起こした残した一節を、ここに残します。

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フェミニズムというは 女も男並みに強者になろうという思想のことではありません。

女は弱者です。

女は女であるだけで弱者ではないかもしれませんが 女は子どもを産んだ途端に弱者になります。

女は介護すべき老人や病人を抱えた途端に弱者になります。

そして女はその責任から逃げてこなかったのです。

少なくともこれまでは。

その責任がないかのごとく身軽なふるまいをするものだちだけが、この世界が平等な競争の元にあるかのようにふるまってきました。

女は、弱者です。

弱者だから、つぐみます。弱者だから、支え合います。

フェミニズムは、弱者が強者になろうとする思想ではありません。

弱者が弱者のまま尊重される社会を作ろうとした思想のことです。

上野千鶴子退職記念特別講演より

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そう、私はケア責任(子育て)から逃げてこなかったのか。そう思うと、自分を抱きしめてあげたくなるし、ケア責任から逃げて社会で成功している人がちょっとかわいそうに見えてきます。責任というと重い気がしてしまうし、確かに私も最初はなぜ私ばかり?と不満を抱えていました。でも今は、大切な人を支えていることに幸せを感じるし、そもそも大切な人がいることの幸せを感じています。それが無く自分と仕事だけの人生は、ちょっと考えられません。大変だけど、大切な人が多ければ多いほど、幸せも大きいと、今は心から思えています。だから、ケアも仕事も両方やれるなんて、本当に幸せ者。「あなたは逃げてこなかったのよね」上野先生からそう語り掛けられた気がして、なんだか力が湧いてきました。