おだやか宣言

世間の流行がひと通り落ち着いたあと、ひっそり試してみる習性があることでおなじみの私が、満を持して「しずかなインターネット」へと参入。タピオカもマリトッツォも、行列に並ぶのをためらっているうちに旬が過ぎていったよ……。行列に並ばずに済む状況で手に入れて「ふーん、こういう感じね。やるじゃん」みたいに謎の高みからわかったふうな感想を、遅れて抱く。それがいい。新しいものを、他のみんなの感触もわかった頃に気安く楽しみたい、というふわふわしたミーハーさは私の長所です。

ともあれ、今は、しずけさを欲している。

きたる2024年5月19日(日)の文学フリマ東京に、うっかり2団体から参加することになってしまい、2方向の冊子の印刷期日に向けた原稿締め切りを抱え、ここ3月、4月はてんてこまいだった。怠け者なのに他者が関わることには変な責任感というか、ええかっこしい「A(C)」な特性が発動し、慌ててがんばって帳尻を合わせてしまうわけです。なんとか原稿は出せて冊子も無事に出来上がりそうで、それはたいへん嬉しいことなのだけど、いかんせんこのところ生活が破綻気味でした。破綻なんてするもんじゃない。破綻するのは北海道拓殖銀行だけにしとけばいいんです(よくない)。

北海道拓殖銀行の伝説の動画、貼っておきます。

どうでもいいけど、ちょっと前に、伝説の拓銀の人の後追い(?)のインタビュー記事が出てたので、そちらもおすそわけ。

とにかく、3月、4月と自分のキャパ以上にがんばりすぎてしまった。普通に仕事行くだけでダルいのに。仕事中もカリカリしてるし、帰ってすぐ寝て早く起きて時間作って誤字脱字チェックせな、とか、もう心が鬼になるわけです。鬼になったらいかんです。余裕がない。てなわけでずっと、「早く人間になりたい……」と妖怪人間ばりに思っていました。

なんとかゴールデンウィークにたどり着き、だらけて、ちょっと落ち着いてきたかなという今日この頃。

★ここからの2024年の目標は、「おだやか」です!オーガニックに生きたい。もう、ガツガツしないよ。もう、パルムの期間限定の杏仁ミルクストロベリー味を血眼になって探してコンビニで買い漁ったりしないよ!

目標:

・自炊習慣をほんのちょっとでいいので思い出す

・運動習慣をほんのちょっとでいいので身につける(ホコリをかぶってしまったリングフィット復活が近い?はたまたまさかのジム入会?)

・甘いものをほんのちょっとずつ減らしていく(最近何げなく入った近所のドラッグストアのお菓子コーナーでなぜか「レモン味」フェアが展開されていて、瀬戸内レモン味、シチリアレモン味みたいな限定表記に弱い私はまんまとまた爆買い。ハーベストクッキーでレモンクリームをサンドしたやつが個人的に大ヒットでした。あそこの店員の中に、間違いなくレモン狂がいるし、足を向けて寝られないくらい感謝した。でも、糖分摂取は減らしていきたい……オーガニックなおだやか人間になりたいので……)

そういうわけで、この「しずかなインターネット」に、私がおだやかな人間へと変貌していくStep and a step(NiziU)を記していこうと思う。いや、もう決意とかもしない。書かないかもしれない。気合い入れて書くのは疲れる。でも、これがまた難しい話で、文章を書きたいという気持ちはあるねん、うち……。書きたさって200パターンあんねん……(アンミカ)。

そうそう、心を鬼にしてがんばって書いた文章も、それはそれで愛着があります。自分ひとりで取り組むだけではたどり着けないところまで行けた感覚なんです。

告知みたいなのを書いておく。

【5/19、文学フリマ東京38】@東京流通センター

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

①合同誌「群島語」第1号(1000円予定)

(「ことばの学校」という文章教室で知り合ったお友達と作ったものです。半年前の秋の文フリで群島語0号を出しており、その第二弾になります)

ブース: A-55〜56

今回は大特集テーマ「妊娠」として、12名の参加メンバーの間で対話活動を行い、「妊娠」にまつわる文章作品を各自で作成しました。

⚫︎私は『賽銭はおごりで』という小説作品(16000字程度)を寄稿しています!

ゲイである自認を持つ過程で、「妊娠」は自分に無関係なものだと仕分けしていました。未婚でも、子無しでもたいしたことない、と思う必要があった。でも最近、友人が子を持つようになって考えに変化が起き……というところが出発点になっています。自分が次の世代につながるイメージや、上の世代の人との大切な思い出などについて考えを深め、書き留めてみました。

⚫︎また、「読ませてプレイリスト」というミニコーナーを私主導で企画してみました。各自3曲ほどの楽曲を冒頭に掲げて2000字程度で自由に音楽の「好き」を語るエッセイコーナーになってます。私も大学時代にドロップアウトした音楽サークルへの愛憎混ざった思い出(『交差するまたいつか』)を書いています笑

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

②SPBS批評のワークショップ、参加者有志の最終課題冊子(1000円予定)

(SPBSという書店の半年間の批評講座に参加していました。その最終課題として、各自が大切だと思う作品の批評に取り組んだのですが、その成果物を書店さん主導で一つの冊子にしてもらい、販売してもらえることに……!)

ブース:H-29

「あなたの言葉を聞き、わたしの言葉を書くために」という講座の趣旨の通りに、毎回参加者同士でのグループワークの時間がとられ、あれやこれや語れたのが印象的でした。自分という視点に立脚し、それぞれの言葉を持ち寄って作品について語り合う。そうして作品が社会とどう接続されるのかが浮かび上がるという試みはたいへん刺激的で、楽しかったです。心理的安全への配慮がなされた講座の設計により、センシティブで個人的な問いをも見つめることができる、充実した時間となりました。

⚫︎私は、『DIVAが旧ジャニーズアイドルに託す「負け認めなきゃ勝てない」というメッセージ』 のタイトルで批評(8000字程度)を書き、冊子に載せてもらいました。

最近どハマりしているアーティストのゆっきゅんが、これまた大好きなWEST.(旧ジャニーズWEST)へと歌詞を提供した楽曲『恋は負け認めなきゃ勝てない』がいかに素晴らしいかを論じました。2023年の旧ジャニーズ事務所をめぐる報道について、私自身が戸惑い距離を置いていた部分があったけれど、作品批評によって戸惑いを見つめ直すことにもなった。そんなプロセスも、一緒に書き留めてみました。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

という異様な長さの初投稿。どう考えても肩に力が入り過ぎている。持続可能と思えない。「しずかなインターネット」はもっと気楽に書くもんでは? でもまあ、文字数に関して文句が飛んでくるようなこともない気がする。なにせここは、「しずかなインターネット」なのだから。

@heiheikyo1
文フリ東京39【L-53】