転職することにした

helloyuki
·

USの会社にしばらく勤めていたが、転職することにした。この記事を書いている時点ではすでに退職済みである。かつての同僚も見ている可能性があるからあまり深い理由は書けないが、主にはフルリモートが辛かったなどの文化的なミスマッチだ。やはり詳しくは書けないが、これまで担当していた仕事がピボットの都合で閉じることになったのも契機になった。

次は日系の会社にまた戻ることにした。数年前までサイバーエージェントという会社に勤めていたが、あの頃のワイワイした組織での開発がもう一度やりたくなった。サイバーエージェントの頃が本当に楽しかったので出戻りも考えたが、この転職を経て、私の好きなドメインの開発の方がやはりモチベーションを高く保てるだろうということに気づいた。まあ端的にいうと、実のところインターネット広告ないしはアドテクあるいはエンタメには、そんなに興味が持てなかったのだ。アドテク事業はもはや旬を過ぎていて、金のなる木ではなくなり、負け犬に移行していそうな会社が多いのもある。

好きなドメインというと、会計や経理、金融などである。あるいはいわゆるECや在庫管理なども好きな部類に入る。転職を検討しているとき、これらのドメインのことを考えていると無限にアイディアが湧くことに気づいた。これまでの経験的には金融(ミドルオフィス向け)→広告配信であったが、広告配信に行った瞬間にドメインが簡単になりすぎたのが気になっていた。金融の頃くらい複雑なドメインで、きれいなシステムを作ることに強い興味があった。そういうわけで、転職活動時はこうしたドメインを中心に仕事を探した。

また、今回のキャリアは若干短いものになってしまったため、長く勤められそうかも強く確認した。これまでの経験上だいたい3年くらいで飽きが来るが、その際に社内異動などでまったく異なるフェーズのプロダクトに移ったりできそうかをとくに重視した。つまりワンプロダクトではなく、一定規模以上の会社でエンジニアの新陳代謝が活発そうかを割と気にした。あとは期待値をちゃんとすり合わせることができるかもチェックした。とかいって、また1年くらいで移っていたら笑えないので、そのときはこの文章を見返そうという思いもあるが。

今回の転職活動はいくつかの会社に応募させていただいた。ここも詳しくは書けないが、最終面接にいくつか通り、正直どの会社にも行きたかった。最終的な条件面と面接に来てくれた人で、Sansan株式会社を選んだ。プロダクトはBill One。Sansanは一応出社の義務があり、エンジニア職は週1日ないしは週3日のどちらかを選択することができる。ちなみにだが、週3日出勤すると、自席が確保されるなどのさまざまなインセンティブがある。

Bill OneはSaaS業界にいる人なら知っていると思うが、今日本の請求書受領関係のSaaSでおそらく一番伸びている。競合と比較しても群を抜いて伸びている。SaaSの業界ではT2D3ということばがあるが、おそらくBill Oneは前人未到の速さで達成するのではないかと言われている。売り上げ規模が拡大するフェーズのプロダクトを一度経験してみたかった私にとっては、一番マッチしている環境なのではないか、と思った。


「今の話が世間的なイメージと大きく違う」とある面接のときに言われたのを思い出すが、開発でRustを使えるかどうかは実はもうほとんど興味がない。Sansanはドメインがおもしろくて選んだ。言語としてはKotlinかGoかTypeScriptを扱うことになるだろう。

これだけRustに関する話ばかりをしていると、その技術にこだわりがあるのではないかという印象があるのかもしれない。面接では主に、最初にそうしたイメージを振り払う必要があった。

私が重視するのは技術選定時における合理性であり、その選定に事業上ないしは経営上の戦略目標があるかどうかであり、最終的に会社の技術面や人材面での資産を大きくできるかどうかだ。しかし一方で、技術を学ばなくていいと言っているわけではない。すぐれた判断は、対象技術を深く理解していなければ無理だからだ。むしろ逆説的だが、よい意思決定のためには、技術を深く学ばなければならない。

よい問いを立てることこそがよい問題解決につながるわけだが、そもそも深い理解がなければ前提を問い返すような深く鋭い問いは立てられない。深く鋭い問いに基づかない問題解決は、汎用な施策しか生まない。汎用な施策しかできないということは、競争優位性がないということだ。競争優位性は会社の収益の源泉であり、その会社の強さである。

SansanはRustの会社ではないため、そういうわけでRustエンジニアはしばらく卒業ということになる。ただ、チャンスがあれば何か理由をつけて入れてみたいなと思っている。あるいは副業やOSSで今後も関わっていきたいと考えている。


最後に感謝を伝えておきたいですが、この2年近く、フルリモートで主にはメンタル的に辛い中、SlackやDiscordなどで構ってくれたサイバーエージェントの頃の同僚のみなさん、ありがとうございました。みなさんに支えられてなんとかやってこられました。引き続きゲームや飲み会などで遊んでください。Sansanはオフィス移転に伴い、10月から渋谷です。渋谷に戻るので、ランチ絶対行きましょう🫶🏻

@helloyuki
東京で働くソフトウェアエンジニア。ときどき(?)スプラトゥーンプレイヤー。👶🏻育ててる。