毎日始業直後25分の技術キャッチアップがよくワークしている話

helloyuki
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子どもが生まれたのでそちらに時間をとられて、なかなか技術のキャッチアップが難しいことが増えた。こう書くと、隙間時間を使えばよいではないかと思われるかもしれない。実際うちの子はかなり昼も夜も寝る(寝た)し、お世話がかなり楽な方で隙間時間はある。しかし子育てしている方はわかると思うが、子が寝ている間は親も寝ないと体力が持たない。加えて、子はいつまで機嫌良くいるかわからない。いつ中断されるかそわそわしている状態で、まとまった論考を腰を据えて読む気力などない。というわけで、隙間時間を使っている気力はない。

数ヶ月前に仕事に復帰して以降、どうも最新技術の動向やトレンドを追えなくなっているのが悩みだった。ちなみに、「最新の話題を常日頃から追うべきか」という議論は時折見かけるが、私は今より高い給与得たい、かつ(たとえば組織全体を見るような)難しい仕事をしたいのであれば追い続けるべきという立場だ。というわけで、私にとっては追う必要がある(書くと長くなるのでこれ以上この話題は扱わないが、当然言外にさまざまな意味や考えがある)。

ソフトウェアアーキテクチャの基礎』という本を最近読み返していたら、そうした悩みに応える話題として、「始業直後20分くらいを使って記事をキャッチアップする時間を作る」という「20分ルール」というものがあった(日本語訳版の場合、p.371〜372に記述がある)。ついでにいうと、昼休みや業後に時間をとるのは、ランチタイムが減ったり、結局家族の横槍が入ったりして進まないから機能しない。始業直後にやるのだ。と書いてある。これを忠実に実行してみた。

この時間は、日頃SNSやそのほか技術系のサイトを眺めている際にはやっている「バズワード」を掘り下げて理解するというのがメインの作業だ。最近だとLLMであるとかOpenAIなどがバズワードに当たるだろうし、人によってはRustなんかもバズワードになるだろう。とにかく気になっている単語を解説する記事を読んで、内容を体系的に理解する。

とくに気になるワードがない日は、RedditやHacker Newsなどにあがっている記事を眺めて感想を書き留めるなどしている。あるいは、最近気になっていたAstroのチュートリアルをこなすなどすることができた。下記は今週キャッチアップした内容がまとまったNotionの一部だ。1日数十分を1週間こなすだけでもかなりの数キャッチアップできることがわかる。

今週キャッチアップした内容がまとまっているNotion

なお、私は日頃ポモドーロテクニック(25分集中して5分休む、を繰り返す)を使っているので、朝始業後1ポモドーロ目の25分間をこれに割り当てている。実質25分ルールだ。

かなり効果が出ているので、トレンドのキャッチアップに苦労している方はやってみるといいと思う。朝一はチームによってはデイリースクラムなどあり、時間面での工夫の必要はあるかもしれない。しかしたとえば、チームに周知して各々20分キャッチアップしたあとにデイリースクラムに集まるようにする、という手もあるように思う。

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(12/25追記)多くの方に見られているようなので補足しておく。この記事の前提は読めばわかるがあくまで、「子育てで時間がない」という状況下の話である(普遍的な話として議論はしていない)。要するに苦肉の策である。また、20分(ないしは25分)の確保が会社から許されるかどうかについては、そもそも言及していない。この記事の暗黙の前提として、このくらいの時間の確保は安易に許される環境にあなたがいる、というものがある。ちなみに『ソフトウェアアーキテクチャの基礎』の著者は、どうやらチームないしは会社単位でこれを行なっていそう(「私たち」とある)であるから、必要があらばチーム全体でやるのは良い戦略だと思われる。

@helloyuki
東京で働くソフトウェアエンジニア。ときどき(?)スプラトゥーンプレイヤー。👶🏻育ててる。