JR西日本版JOKER

hemispherium
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メンタルの不調でしばらく会社を休んでいるぼく。ふだん通勤しているときより少し遅い起床。ずっと家にいてもまた夜眠れなくなるのが少し不安でとりあえず夕方ごろ、大阪駅に向かうことにした。

最寄り駅。眼鏡を掛けた初老の男が目についた。マスクを半分ほどの幅にして鼻だけを隠している。リュックは中の野菜を入れるためにほとんど口が空いていて、野菜がしっかり見えている。やや強めの多動症といった感じでうろうろしていて少し様子がおかしい。電車に乗るときにもしっかり踵を踏まれた。

電車で隣に座ってきたのでふだんなら少しでも気になった人物が近くにいる場合は席を替えることが多いがこの日はそのまま座っていた。小さなノートを見ている。「p.〇〇 〜〜〜〜」のようなメモ書きがいくつか見えた。几帳面な性格のようだ。意外と著名な作家だったりして。

いくつ目かの駅で一緒に乗り換える。野菜リュックを忘れている。いつもなら教えてあげるがやはり少し変な人なのでそのままにしてしまった。向かいに座っていた男性も同意見のようだ。乗り換えた列車。扉が閉まる。ようやく気づいたようで「開」ボタンを押すがもう開かない。

少しばかりできすぎてはいないか?これは完璧な社会不適合者あるいはホアキン・フェニックス版JOKERだ。エリサラ3人組が女にポテトを投げ始めたらあの物語がはじまってしまうところだった。