MVPの一般的な定義は「仮説を検証可能な最小限の機能で構成された実行可能なプロダクト」でしょうか。
そこで重要なのは「仮説を検証できるかどうか」であり、その役目を果たせないとただショボいだけの何かになってしまいます。しかし、その点においてユーザーに求められる水準が爆上がりしているよねという話です。
昨今ではデザイン・体験の設計意識が職種問わず高いですし、世界中で生み出される新しいプロダクトの品質もかなり高いわけです。小さいスタートアップや個人開発の域でも「あ〜、これ良いなあ」と思うプロダクトがどんどん出てきます。
そんな中で、MVPとして作り込まれていない状態の機能を検証に活用しようと思っても、そもそもスタート地点にすら立てないという現象が起こりうる気がしています。
例えばこの「しずかなインターネット」もCatnoseさんによる最高の世界観が全体の設計や細かなあしらい・インタラクションで表現されています。また、Catnoseさんが作った新しいプロダクト、といったような今までの実績が表現するブランド的な側面もあるかもしれません。この雰囲気が良くて使ってる人はたくさんいるのではないでしょうか。
もしこのプロダクトをコア機能が使える状態というだけでユーザーに受け入れられるかどうかを検証しようとも、なんとも難しそうだなと感じます。ユーザーが求める最低限の品質というのは時代が進むにつれさらに上がっていくように思えます。
ただし、そういった最低条件に関わる知識・知見・手法は体系化され、簡単にインターネット上や書籍で手に入れることができるようにもなっています。生成AIの進化や便利なライブラリがたくさん出たりすることにより、要件定義や開発すらもスピードが大きく異なるでしょう。自身の専門領域以外の箇所でもある程度の理解はそれほどコストをかけなくても済むようになったわけです。
つまり、ユーザーに求められる最低ラインの水準は上がり続けているが、MVPを作り上げるために必要な時間は結果的にあまり変わらない、というのが結論です。
そのためにはチームメンバー全員が自ら積極的にインプットを心がける必要があり、議論の質を高めていく、あるいはそういった環境作りをすることが結果としてユーザーに価値を素早く届けることができると思います。
おしり
あ、間違えた
おわり