山形の旅(山形市〜山寺〜蔵王)

hh0223
·

山形県へ初めて向かった。

仙台空港から高速バスで1時間、今年は雪が少なく遠くに見えた山の頂上付近が白くなっていてやっと雪を見た。後で地元の方に聞いたらあれが月山。

今回は向かわないが子どもの頃から行ってみたいところの一つ、月山。なんだかドキドキと震えた。

蔵王山の樹氷と雪に会いに行くのがメインだったが、数日前にネットニュースで今シーズンは溶けて消えた。と寂しいニュースを見ながら、宿泊先の人からわざわざ「もう樹氷ないけど大丈夫?」の電話まで頂いた。樹氷ないけど大丈夫、行く。

到着した日もすごく暖かく、大きなダウンを着ている人は少ない。というかみんな薄着で驚いた。トレンチコートやGジャンを着ていた。わたしもダウンを脱いでニットで仙台駅のビル中の立ち食い寿司屋でお寿司を食べ、美味しくてじわりじわりと感動した。東北へ来たのは数年ぶりで、以前は気仙沼、石巻、仙台あたりを観光したのが最後で、とにかくお魚が美味しかったなぁという思い出が。塩釜でお寿司も食べたいし、秋保温泉でのんびりもしたい。石巻に友人が居るので色々教えてくれて行きたいところも無限に出てくる。

さて、山形駅へ無事到着し目的の一つニットウェアのブランドの直営店へ車を借りて向かった。直営店が田んぼや畑の真ん中にすくっと工場と共に建っていた。スタッフさんはブランド理念、技術を事細かに教えてくれネットの中で見ていたお洋服を直に触れる楽しさ、試着してみたらわたしは二枚とも(迷ったふりを一瞬だけして)購入しますとスタッフさんに手渡していた。同じ型の色違い、緑系の二枚。今の気分は緑らしい。それから義父へのプレゼントにカーディガンを選んだ。

翌日、山寺へ向かう。雪があるとこの上り階段は厳しいだろうなぁと小雨の降る中、登ってゆく。でも雪景色の山寺もまた美しいんだろうと想像する。岩肌の凹凸が髑髏や仏様に見えてきた。あの穴で動物は休憩したりするのだろうか。奥の院まで上がり向かいの山の景色は、民家と大きくうねった一本道が見える。あの民家に住む人たちはこの山に護られていて、山を守ってるんだろうか。そうやって思いながら、もとの道を降りました。

山形駅へ戻る途中に下車してお昼ご飯を食べにげそ天が有名なスーパーへ向かう。ここもめちゃくちゃ楽しみにしていたところ。是非ホームページを調べて欲しい。中に入ると既に何組か食事をしていて、物販と食事の両方出来るお店で、家族はテンションが上がりわたしの知らない間にあれこれ頼んでいた。おにぎり(筋子、焼き鯖、梅干し)あったかいそば、げそ天(プレーンと塩レモン)そばにもげそ天が付いてくることを見落とし、げそ天が予定より一点追加された。赤貝、甘海老のお刺身もやって来て、テーブルは美味しいものでお祭り大はしゃぎ「これははしゃいだな」思わず言葉にするが、全部美味しくて全部頼んでよかったとしみじみ思うのであった。お店の人もみんな親切で、どれも美味しそうなきれいな陳列。食べたことのないお惣菜。大きなイチゴ。飲んでみたいお酒。食べたいものは沢山あった、次の楽しみがまた増えた。

日が暮れていく山形駅から蔵王温泉にバスで、海外のお客さんも沢山乗車、そのままバスは満員で出発していく。二日間のこれまで雪を見ることはなく、蔵王山に行っても雪はあるのかと少し不安になった。わたしは乗り物酔いをする方なので(子どもの頃よりは見違えるほど良くなった。)目を閉じていたが、終点の頃には目を開けると暗い周りの景色にバスのライトが照らした少しの雪が現れた。

バスターミナルに到着して建物を出ると温泉の湯気が下からもくもくと沸いていて、硫黄の香りで一帯は満たされている。(旅行から帰宅して一週間以上経ってもまだ温泉の香りが衣類に残っているのには驚いた。)後でこの香りは硫黄だけじゃなかったと気が付くが最初は硫黄だと思っていた。きつい硫黄というより薄めの硫黄みたいな印象ではあった。

宿に到着するなりジンギスカンを頂く。高校生の頃に北海道への修学旅行で食べたがそのときはそんなに美味しかった思い出は無かったが、蔵王のジンギスカンは美味しい。なんかピカッて目がひらいた感じ。また食べたいけれど、近所では食べれそうにない気がする。

共同浴場も翌日とあわせ、3ヶ所全て入湯。あまり何も考えずに宿から一番近い下湯、上湯、川原湯の順番で入り、温泉の濃度が一番濃いのが下湯で顔を洗ったら目に滲みてめちゃくちゃ痛い。がんばって涙を出しなんとかしようとした。そばに誰か居たら目に入らないように注意をしてあげたいくらい。でも今は一人で誰もいないので、教えて教えられが出来ずにいた。今後の温泉活動に大きな学びを得た。

たまたま下湯と上湯に行ったとき、わたし一人でのんびり入ることができふぅと幸せいっぱいになった。ちなみに三ヶ所とも洗い場もシャワーもないタイプで、洗髪、洗顔は寝る前に宿で済ませた。温泉の成分が濃すぎて泡立たないそうだ。試したら本当で、洗顔フォームが流れて消えた。試したら、と書いたが普通に忘れてて洗顔しようとしたらそうなっただけでもある。

宿に戻ると、意外と寒くないことに気が付く。街の家のほうが寒い。温泉街って温泉も有るし温かいのだろうか、ご存知の方教えてもらえたら嬉しいです。この到着した夜は雪はまだ降っておらず、道の脇に少しだけ寄せてあるくらいだった。地元の人はこんなの全然ない、と言うのだろう。この冬、住んでいる街は一度も雪は積もらなかった。もう段々と積もらなくなったなぁ。

最終日の朝、朝食前に今度は上湯へ向かう。宿の窓から雪が降り始めたのを見て、やっと会えたと感激した。その降る雪の中歩いて数分、到着。上湯より少しだけ広く湯の感じは下湯より濃度が薄そうで、幅広く誰でも入れそうな印象。湯船の広さも一番大きかったです。ちなみに共同浴場どこも備品もあまり有りません。(かけ湯する桶、風呂椅子が一つか二つあるくらい)神経質な人は入るのは厳しそうですが、地元の人はここをとても大事にされているんだろうなと不潔な印象は無かったです。

朝食を頂いて蔵王山の山頂へ向かうため、スノーブーツに履き替え(10年くらい前に長野へ行くために買って以来、あまり履いてなくてクローゼットで眠っていたSORELのスノーブーツ、今はもう売ってないカラーのようだ)ワークマンで買った手袋を着け徒歩でロープウェイの駅までぽつぽつ歩いて向かった。

ロープウェイに乗るまで長い列が屋根もなく雪が降る中行列に並ぶ。海外のお客さんで沢山。並ぶお客さんのウェアやスノボを見て自分だったらどんなの選ぶかなーと妄想する。死ぬまでに一回くらいはスノボに挑戦出来るかな。スキーは小学校の合宿で体験して全く出来なくて泣いた。でも今思うとそんなすぐ出来るものでもないのかも、時間をかければわたしも少しぐらいは出来たかもしれない。あの時の自分にすぐに出来ないものがあってもあんまり気にすんなと言ってあげたい。

一時間くらい経ちロープウェイに満員で乗車(行きはなんとか保ったが、帰りは貧血みたいになってフラフラ元々ロープウェイやリフトは苦手でかなり頑張った)途中で乗り換え、一回り小さいロープウェイにまた乗る。段々標高が上がっていくと雪が多く木々が少なくなっていく。あぁあれは霧氷だ。樹氷は見れなかったけどロープウェイから霧氷が見れて嬉しかった。

20分くらい乗車していたぐらいだが、苦手なのでものすごく長く感じつつ、ついに山頂駅に到着。まずはレストランの屋上へ階段を上がって、屋上へ出ると真っ白だ。真っ白で遠くが見えない、そして吹雪いて顔に当たる雪が痛い。感激しながら痛い。mont-bellの耳あて付き帽子を家族が贈ってくれこの冬は毎日被っている、それが無かったらこの吹雪にわたしの耳や頬が痛くて泣いていたと思う。とりあえずきょろきょろ辺りを見回す、白い、しろい、しろい!屋上を降りて徒歩で散策出来るところはそんなに広くないが(柵のロープがある)家族とほんの少し雪遊びをしたり写真を撮ったりしました。雪遊びしたのって何年ぶりだったのか、思い出せないまま。すごく雪が積もった年、インフルエンザにかかったことは思い出したが。雪玉を投げる、の旅の目的も達成し満足した。

瀕死になりながら下山して、昼食はここでと思っていた店がもう閉店していたようで別の店になっていたりうろうろ迷いながら、カレーが食べられるお店に入ることができやっとホッとした。店の中から見る温泉街に降る雪と湯けむりが全体でぼんやりしていて、店の柱が黒くくっきり額に収まっているみたいだった。じゃがいものポタージュが特に美味しく今のお腹に優しく助かった。あともう少しでここを発たねばいけない時間だ。もっとゆっくりしたかったなぁといつもこの時間帯に思う。

昼食後に温泉街の名物お餅を急いで買い、共同浴場三つ目の川原湯へ向かう。ここは宿のご主人が源泉の上に小屋を建てたみたいなもんと教えてもらっていて、どんなところなのか…不安と期待が同じ量もこもこ湧いていている場所で行ってみると、なんとなく下湯よりは小さいような印象で、湯船の底に板が何枚か渡っている。すのこみたいな湯船、湯の花が舞っている。手を伸ばすと温度が指先と上半身の位置で違う。ここで初めて他のお客さんと一緒になる。一人で来られた方に話しかけてみると関東から日帰りで来られたそうだ。関東から日帰りの方は多いようで、新幹線だと近いものですよと教えてもらう。もうきっとお会いしないだろうが、この笑顔のおおらかで優しい方に幸せがありますようにと隣で湯に浸かりながら祈った。共同浴場三つの中でこの川原湯が家族もわたしも一番気に入った。因みに宿で無料券を頂いていたので気軽に入れて嬉しかったです。そして真冬なので脱ぐのも着るのもめっちゃ時間が掛かる。

ほこほこの身体でお土産物屋さんへ。ここでお土産物屋へ初めて入った、滞在時間は五分くらい、その間に目が合った小さなコケシをすぐさま買い大事に鞄に仕舞いこんだ。

もう最後の高速バスである、予約していた蔵王温泉から仙台空港へ向かうバスで乗るお客さんはまばらで、仙台行きのバスは沢山いらっしゃったがわたしたちはまばらな方。空港まで乗せてもらえるのでかなり便利で助かった。空港で友だちと待ち合わせていたので、それも楽しみにしつつ乗り物酔いと疲労で目を閉じ少し眠った。一時間半くらいで空港へ無事に到着、強く寒い雨になっていた。友だちとも合流しレストランで食事と、仙台銘菓の大好きな支倉焼きを購入。仙台空港の二階のベンチがわたしは好きだ。こちらに住んでいる友だちとも顔を見て話せてやっぱり良かった。色んなことがあるけどこれからもわたしたちは続いていく、ふとそう思った。帰りの便が欠航になるかもと案内されるも、翌日から二日間まだ仕事の休みでもあったので「仙台や松島寄ってから帰るか」と呑気に思いながら結果的に飛行機はちゃんと飛び神戸へ飛び立ったのだ。

帰りは天候が悪くかなり機体が揺れ時間も予定より掛かりわたしはここでも乗り物酔いの試練を受け、神戸の地に降りたときはとてつもなくホッとしふわぁと何か重荷が消え、歩く人々の歩く速さで帰ってきたなと心の中でにやりと笑った。

温泉街で買ったお餅は帰宅してから食べました。美味しかったけど、その場ですぐ食べたかった気持ちもあるのでまた食べたいな〜。

山形本当に美味しいものばっかりで、お店の方もみんな親切だし、建築物も古い建物が残っていてすごく良かった。書けなかったけど文翔館、山形県立博物館で縄文の女神にも会いに行けたし、郷土料理も少し食べれたし。心残りはラーメンが食べれずだったこと。次は鶴岡方面に行きたいな。

山形ありがとう。

そしてここまで読んでくれてありがとう。