息子が呪術廻戦にハマっていて、作中のセリフで返答される時が多々あって、いつも突然なのでびっくりしていた。全部しっかりネタがわかるので面白いしオタクなのですごく楽しい。ちなみに懐玉・玉折率が高い。我が家に頻発する五条悟、夏油傑、伏黒甚爾───今日は誰と遊ぶのかを聞いたら「誰だっけ……」だし、傘をまた学校に置き忘れたことを追求したら「そうかぁ? そうだなぁ。そうかもなァァァァ」と言われる。あと基本的に返事は「そうか、死ね」だし。はじめはいちいち爆笑したし、あまりに面白いのでパクったらスベッた。わたしには向いていないらしい。「同じネタでのウケ狙いは一度まで〜それ以上はおもんないやつがはしゃいでるだけになる〜」という我が家の家訓にのっとり、しつこくやったら息子のギャグ殺しになるのですぐにやめた。
その後は普通の会話のようにセリフを繰り出すようになってきて、わたしもそれに慣れてリアクションも「はいはい」みたいなかんじになって、それが日常の光景に馴染んだころ、息子が歩きながらアイスを食べていた。外側をチョコレートでコーティングされていて、なかにバニラアイスがはいっているやつ。冷凍庫を開け、その場でパッケージを切って食べ始めたものだから、床にチョコレートの破片がぱらぱらと落ちた。さっき掃除機をかけたばかりだったし、今は冷たいチョコレートも溶けたら床の上でべたべたするだろうし、ありえないので絶対見逃せなかったから、チョコ落ちたよと指摘した。すると息子から返ってきた答えがこうだった。「喰っていいぞ」それは伏黒恵が玉犬に言うセリフ───
わたしがもっと面白かったら咄嗟にノって喰ってたかもしれない。呪霊を喰うように、床のチョコレートを。というか多分こいつの姉だったらやってた。一応は母のポジションにいるからそれが出来なくて非常に悔やまれる。母というポジション、辛すぎる。我が子ながらそのセンスに脱帽し、まさかのタイミングでのそれに大爆笑しただけだった。あまりにツボだったので「面白すぎる!」と文句を言いながらチョコレートはわたしがひろった。
誰かに聞いてほしくてオタクじゃなくて呪術廻戦のネタがわからない友達にこのやりとりの部分だけしゃべったらしっかり爆笑してくれた。エピソードトークで笑わせたので私も満足した。