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hhq412
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 先日、深夜にふと思い立ってアップルパイを焼いた。冷凍のパイ生地を使って焼くそれは、フィリングさえ作ってしまえば簡単なものだった。だからほとんどを占める料理と言える部分といえばりんごを煮ることだけ。それも、鍋の中で果実の形がゆっくりと崩れていき、グラニュー糖が馴染んで表面がつやつやになっていくさまをぼんやり眺めるだけ。仕上げにバターを入れて、シナモンが好きな家族のために思い切りシナモンをふりかけて、ぐるぐるとかき混ぜた。良い時間だった。

 翌朝、アップルパイが待っていると思ったら嬉しくて早起きした。「アップルパイあるよ」の声にみんなつられて、家族全員早起きだった。皆、好きなのだ。

 久しぶりにデザートらしいものを作ったら楽しくなって昨日はバスクチーズケーキを焼いた。しっかり焦げ目をつくるのが大事だけれど、焦げすぎて不安になり、早めにオーブンから出したらしっかり生焼けだった。切ったら焼け切ってないカスタードクリーム状の生地が内側の方からとろりとこぼれる。娘は「水のテーブルがあるカフェの生バスクケーキみたい」と言った。わたしはなんのことなのか分からなくて、まあすごく喜んでいるし、チーズケーキだし、いいかなと思いそのまま食べてみた。結構美味しい。娘はTikTokでバズっていたカフェのものが食べれるなんて嬉しいと言って大喜び。今まで食べた中でいちばんすきかも、とまで言う。気になって動画を見せてもらったら、たしかに似たような感じだった。

 しかし冷凍して保存したい。三人家族でホールのチーズケーキを一気に食べるのは危険だと思う。これに含まれているグラニュー糖やらクリームチーズやら生クリームやらの総量を知っているから、なおさら。ここまで中身が生だと冷凍できない。

 というわけでもう一度焼いたらうまく行った。娘はしっかり焼けたそれを一口食べるとまた違ったおいしさがあったらしく大喜びしてくれたので、良い子でよかったなと思った。