弱いエイリアンと強いエイリアン sexの後俺は食われる
/~1000『東北大短歌第七号』(2024)
映画の世界だろうか。弱いエイリアンと強いエイリアンがお互いに交尾して、最後は主体を餌として食らい尽くすのだろう。ものすごくピンチなはずなのにユーモラスな雰囲気があるのは、おそらくsexが小文字だからだと思う。sexが小文字だとおもしろい。なんとなくトホホな感じがある。映画だったとしても、B級映画の世界観なのかもしれない。
主体は、食われることを諦めて受け入れているように見える。逃げられない状態なのだろう。エイリアンはsexをしている。混沌とした中、もし本当にこの短歌が映画であれば、主体は急にものすごい力を発揮する可能性がある。ピンチのときに主人公が覚醒する、こういうどんでん返しは定番でステレオタイプかもしれないが、観客は定番を求めに映画館に来ていると言ってもよい。
弱いエイリアンや強いエイリアンよりもっと強い人間になる、そういう可能性が1%でも生まれてこないだろうか。と、この映画を観ている観客の一人であるわたしは、そう思う。