黄昏時に海辺を歩く 周りが夕陽で朱に染まりやがて青になり何もかもが闇に沈んでゆくまでの間 きみは裸足で海辺を歩く 時折波に足を洗われるが無言のまま「冷たくない?」「ううん。気持ち良いよ」長い髪を風にたなびかせて少しずつ紺碧に沈んでいくきみを眺めている「星、見えないねえ」「どこいっちゃったんだろうね」もうすぐ辺りも世界も暗闇に沈む きみを見失いたくなくて、思わずその手を握る 微かに笑って握り返すきみの顔も身体の輪郭も、もうすぐ闇に溶けて見えなくなる。創作hibi_sora