リサ・ラーソンの置物をいくつか持っている。
白い子ギツネを購入したのは個人店の店主からだ。一目見てかわいいな、と思った。白くてするんとまあるくて、陶器なのにほんわりあたたかそうで、きれいな顔をしている。
“実物を見て、いちばんかわいいと思うお顔の子を持ち帰りました”
とあった。じっくり目を合わせて選び、丁寧に大切に持って帰ってもらったんだなと思うと余計にかわいく思えてくる。いろんなところを見て回っていたのだが、同じ陶器作品なのに同じ顔はひとつとしてなかった。ぬいぐるみを選びに選んで迎えたことのある人ならわかると思うのだけれど、表情がほんとにちょっとずつ違うし、うまく説明できないけれどわたしにはこの子、と思う子がいるのだ。
今、白い子ギツネの横には茶色の子ギツネが並んでいる。顔はやっぱり違っていて、白い子は大きな目、茶色の子はすっとしたまなざしをしている。
ふとしたときにその動物たちをなでる。するするのかわいいおしりとしっぽ。陶器の手触りもそれぞれに違って、つるんとしていたり、ざらつきがあったり、釉薬の模様が指にひっかかったりする。ほんわりもあったかくもない、ひた、と吸いつくようなひんやりとした陶器の肌。こうやって楽しむ作品があるんだなとはじめて知る。飾って眺めるだけでなくて、指先でなぞって手のひらにつつんで、触れて味わう作品。
そのかたちを目にふくみ、手のなかに残るその感触と輪郭を好きだと感じる。手元に長く置いて、大事にしたいと思う。
今日のごはんはカレイの煮付け。クセがなくて食べやすかった。味噌汁と玉子焼きも添えてザ和食な献立に。洋食メニューも好きだけどそればっかりだと胃が重い年頃なので、なんだかんだこういう日があると落ち着く。