前回に引き続き,サイバネティック・ビッグファイブ理論(CB5T)の安定性と可塑性についてまとめる。
安定性と可逆性の相関要因
多くの研究が安定性と可塑性の相関要因を特定している。理論的に意味を持つためには,そのような相関要因はビッグファイブの構成要素のいずれか一つに主に関連するのではなく,主にメタ特性のどれか一つに関連していなければならない。この研究では,変数の主たる関連がビッグファイブではなくメタ特性にあるかどうかを検証する手法を開発し,400の特定の行動の頻度に関する報告とメタ特性との関連を検討した。その結果,安定性がその行動的相関のほぼすべてを負の方向だったのに対し,可塑性はその行動的相関のほぼすべて正の方向だった。
ここで,安定性は主に抑制に依存しているように見えるが,これは行動抑制系や受動的回避と関連づけられる種類の抑制とは同一ではない。むしろ,これは非感情的制約(nonaffective constraint)に似ており,脅威や報酬に関連するかどうかに関わらず,目標追求を妨げるような感情的・動機的衝動を抑制するものである。対照的に,可塑性は行動の活性化に依存する。
さらに,各メタ特性と最も強く関連する行動の具体的な内容は,CB5Tの定義と一致していた。安定性は,怒りを爆発させる,薬物やアルコールを使用する,睡眠を欠くといった破壊的行動と負の相関を示したのに対し,可塑性は,公開講座への参加や冗談を言うといった探索的行動と正の相関を示した。(冗談を言うことを直感的には探索の一形態とは言えないかもしれないが,これは何らかの社会的報酬を追求するために意図されており,その結果は不確実である。)
安定性のサイバネティックな側面
安定性は,サイバネティックシステムが混乱に抵抗する能力を反映している。異常事態に遭遇した後,安定性が高い人は,長期的な目標を妨げるような即時の目標(例:怒りを表出する,気を紛らわせたりする)に,自らの行動目標を置き換えることに抵抗する。対照的に,安定性が低い人の特徴的な適応行動は,感情,衝動,疑念によって頻繁に中断される。安定性が極めて低い人にとっては,一見些細な異常でさえも,彼らを混沌に陥らせ,目標指向的な機能を乱し,苦痛と途方に暮れた状態に陥らせることがある。
安定性の低さは,おそらく頻繁な混乱に起因して,効果的な特徴的適応を発達させ維持することを困難にする。力学系の用語で言えば,安定性の低い人々は強力なアトラクターとなる特徴的適応を形成することに苦労する。対照的に,高い安定性は強力なアトラクターとなる特徴的適応を有することと関連しており,カオスとの望まぬ遭遇やそれに伴う不快な調節不全から効果的に身を守る。
可塑性のサイバネティックな側面
可塑性は,サイバネティックシステムが不安定化や崩壊を引き起こしたストレス要因によって必要とされる場合だけでなく,未知のものに内在するインセンティブや報酬の価値に応えて自発的に新たな目標,解釈,戦略を生み出す傾向の強さを反映している。可塑性が高い人にとっては,一見些細な異常でさえ探求する動機となり,現在進行中の計画を一時的に保留し,新たな解釈や戦略,あるいは新たな目標を策定するきっかけとなり得る。さらに,可塑性が高い人は,予期せぬ異常が発生した際に柔軟かつ熱心に反応する傾向があるだけでなく,自発的に未知を探求し,心理的エントロピーが増加すると予測できる状況に自ら身を置く傾向もある。未知なるものは本質的に有望であるため,一部の人々は未知との遭遇をそれ自体を目的として求める。
可塑性が高いことは,現状の予測可能性から探求が不要である場合でも,探求行動と関連している。探求は未知を既知へと変容させるが,同時に既知を未知へと変容させることもある。これは,予期せぬ報酬や機会あるいは将来役立つ新たな特徴的適応をもたらす可能性があるため,適応的な場合もある。一方で,破壊的な場合もある。思春期の男性においては,可塑性が非行,多動,薬物使用といった外在化問題のリスクを予測する。