午前中のサボテン

K坂ひえき
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午前中のサボテンのような日差しの中、青い風船が無数に浮かび上がり、その中から漏れるピンクのスパゲッティが地面に落ちてくる。それを見ていた男は、紫のヘルメットをかぶり、両手には巨大なトランプのカードを持っていた。彼は何かを期待しているようにヘルメットを揺らし、そのままドリルのように回りながら地面に埋まった。

その横で、不思議な形をした車輪が自転車のように跳ね、縦横無尽に動き回っている。その上に座るのは見知らぬ男女が、ノコギリを振り回して周囲の空気を切り裂いていた。その音はまるでサーカスのような喧騒を作り出しており、通りがかる人々は思わず立ち止まり、興味津々な表情を浮かべていた。

道路の片隅では、巨大なフルーツサラダが作られている様子が見受けられた。オレンジの山、キウイの滝、イチゴの川が絶妙なバランスで積み上げられ、その中心には見たこともないような果物が組み合わさり、まるで異次元の料理がそこに広がっているかのようだった。

突如、道路の中央で巨大なバルーンが空中に浮かび上がり、その表面には色とりどりの手紙や絵画が貼り付けられていた。バルーンからは音楽が流れ、そのリズムに合わせて通りかかる人々が手拍子をとり始めた。そして、バルーンが突如として破裂し、中から無数の風船が飛び出して空を覆い尽くした。

騒がしい中にも一際目を引く光景が広がり、人々はただただ驚きと笑顔に包まれていた。この非現実的な空間の中で、何かが起こりそうな予感が漂っていた。