多分毎週書くわけじゃないけど思ったことをつらつらと。しずかなインターネット、完全にメモ帳としてつかってる感ある。
・虎に翼
新しい朝ドラが始まった!私的見解なのですが朝ドラって第一話が結構大事だと思っていて、これから半年続く物語の名刺みたいなモノだと思うんですよね。そういう意味では虎に翼、異例のおもしろさだった……。
『すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。』
日本国憲法の一文を読み上げながら橋の下の生活を映す演出。その生活は見るからに豊かではなくて、平等ってなんなんだろうと思わされる。このカットひとつで信頼できる朝ドラだ……と思いました。虎に翼、こういう「絵の持つ意味」みたいな演出がすごい上手いですよね。一週目でも、花江と寅子がはしゃぎながらその橋の上を走っていく。お父さんと寅子が願書を出すときに貧しい子供とぶつかりそうになってお父さんがスッと避ける。法学に進むと言った後の担任の女教師のバックカットや寅子への視線。最終話ではお母さんが寅子に六法全書を買い与えるまで、落ち込んで泣いているであろう女子が映り込む。橋の上でも同様に。この時代は「大日本帝国憲法」だと思うんですけど、その中で生きる人間の、特に女性の息苦しさや多様性を描いているなぁと思いました。
だいたいのドラマで「息苦しさを感じる登場人物は自己否定に陥りがち」っていうあるあるじゃなくて、虎に翼に出てくる女たちは息苦しさを感じながらも自己否定に陥ってないところが本当に好きです。特に寅子のお母さんのはるさんがたまらなかった!私は自分の人生に悔いはない!と言い切りながら、若造(笑)の侮辱に発破をかけられて燃え上がる様子、最高だったなぁ。寅子と血縁だなと思いました 笑
あとは米津玄師の主題歌もめちゃくちゃ良い。「100年先もまた会いましょう」ってサビのところで流れるんですけど、このシーンでいろんな時代の女性が踊ってて、「あ、これって日本国憲法の我らと我らの子孫のために」だなと思って震えました。寅子は法曹の世界でファーストペンギンになって後続に託した。色んな職業でそういうことがあって、約百年後の今に繋がっているんだなぁとしみじみ思います。「さよーならまたいつか」と言うように、その託した未来がその通りになるかどうかは「知らねえけれど」ではあるんだけど、のんべんだらりと生きてる今、百年後の女たちに託せるようなことが私にはできるんだろうか……とぼんやり思ったりするのでした。