実家が苦手だ。
家族とどうしても波長が合わない。私が面白いと思うことを面白がってくれない。私が感じる生きづらさを理解してくれない。家族の客観性に欠ける精神論的な発言にいちいち引っ掛かってしまう自分がいる。いちいち突っかかってないで受け流す術を身につけた方がいいのはわかってるしそうするときも多いけど、なんというか家族と話してると偉い人を接待してるみたいな気分になる。
実家が嫌いだから地元も嫌いなような気がしてくる。実のところそうでもないのかもしれない。わからない。問題を十把一絡げにしているところがある。
昨日、高校時代の塾の先生に会った。私が見積もっていたよりも先生は優秀な人間で、浅い人間の私はずーっと『凄いですねえ』くらいの相槌しか打てなくてもどかしかった。もっと渡り合いたかったな。でも私はああいう人が物凄く好きだし、浅いなりに話の方向性は合っていた。楽しかった。周囲と面白がる事柄がいつも違ってなんとなくずっとやりづらかった自分にとってはここが地元じゃないような感覚さえした。地元の人のこと見下してるわけでは決してないけれど、地元の知り合いなんて家族か同級生しかいないから、地元の人って全員そうなんだと思い込んでたかも。面白がるところが一致しているのって思った以上に大事なことなんだなと思った。
具体的に言うと、先生はたぶん日本全国で見てもかなり結構頭の良い人で、そして相応の自信家で、自分の力で地元を変えられる可能性があるっていう野望を持っていた。それ聞いて、ああ私もそういえば世界変えたいって思ってたって久しぶりに思い出した。高校時代。私がまだ燃えてた頃。話したのは、学問(数学)っぽい話とか、自分の将来やりたいこととか、所謂『頭が良い奴』であることの孤独感、逆にそんな自分でも太刀打ちできない人間への思いとか。一方で、僕の周りの人間が皆笑っててほしいんよねとかいう話も、MBTI診断の話も、しょーもない下ネタもあって、なんかこういうバランス感覚の良さって最強だよなって思った。強いのに人懐っこくてかわいげがある。でも根本的にありえんくらい賢い。ほとほと呆れるね。凄すぎて。
ああいう人のもとで一緒に働く人生もありだよなあ、楽しそうだよなあと思った。すぱっとそこに進む勇気はまだないけど。