「ずいぶんたくさんの人が物作りをし、販売してるんだなあ」と、東京ビッグサイトへ向かう途中、駅での混雑ぶりを見て思いました。
ここ数ヶ月、同人誌を作るために多くの時間を割いてきました。その間は当然だけど自分の本のことだけ考えていて。
適切な表現かはわからないんだけど、ずっと私が「主役」だったんですよね。
だから同じような状況の人がたくさんいるのを目の当たりにして、なんだかすごいことだなぁと圧倒されたし、自分の存在がちっぽけに感じられました。
そういう気持ちを抱きながらも始まったイベント。サークル参加は人生で2回目でしたが、1回目は6年前だし、一般参加の経験もないド素人です。正直知らないことばかりでした。
(自分は夢書きですが)夢本がどれほど受け入れられているのかも、今回参加するプチオンリーの「プチ」の規模感もわからない。ただひとつ想像できたのは、6年前よりも賑わいがないだろうこと。原作が完結してから数年が経っていますし、何より私自身が創作活動から長いこと離れていたため、当時ほどの反応がもらえないことはわかっていました。
実際、6年前に比べるとかなり暇だったのかなぁ。数字管理が苦手なので、明確にどれぐらい部数が減ったかはわからないのですが……当時も今回も売り子さんがいてくださったおかげで退屈を感じることはなく、ネガティブな感情は一切ありませんでした。ああいうのって居るだけでワクワクするもんね。(もちろん誰も来ないとそれはもうとても寂しいと思うので、かまってくれた人には感謝してます!)
あとはね、そんな寂しさが帳消しになるくらい有難いこともあったからだと思います。
それは、私の本を買ってくださった方がいらっしゃったことです。
こんな幸せあります!?
昨日友達と話してたんですけど、ビッグサイトって近くに住んでる人間は存在しないじゃないですか(過言)。私の自宅からは片道で2時間近くかかります! 売り子さんもたしか同じぐらいかかっていました。
それなのに、来てくださる方っているんですよね。私のスペースへ一番に来てくれたり、たった一冊の新刊を購入してそのまま帰宅されたり。新幹線で遠路はるばる訪れてくれたり、お手紙やお土産を用意してくれた方もいらっしゃいました。
だって、今の世の中には通販があるんですよ……!? 多少(手数料や送料分)会場価格より高く設定していますが、それでも大半は交通費の方が高くつくんじゃないかと思います。それなのに直接受け取りに来てくださって……。
「同じイベントに参加していたから」と立ち寄ってくださった方もね! きっとお席にいて自分のスペースに訪れる方と話したいじゃないですか。貴重な時間を割いてこちらまで来てくださって、感謝しかありません!
突然ですが、私、自分の文章が好きじゃないんです。読み直すとどうしても拙く感じるし、小説を書くのが上手い人を見ると、すごく羨ましくなっちゃいます。
原作のキャラクターは大好きですが、それは「私が思いもよらないことを言うキャラクター」が好きなんです。私が書くキャラクターは、思いもよらないことを言わないので、いつも何か物足りないです。
だから私自身は私の小説にそれほど価値を見出せていません。私の話はただ原作の凄さに便乗しているだけだし、みんなこれくらい書ける。なんならもっと上手くやれる人の方が多い。卑屈と言われてしまうかもしれませんが、ずっとそう感じています。
だけど、私の書いたものに価値を見出して、楽しんでくれる人がいる。その気持ちを労力を惜しまずに伝えてくれる人がいる。それは拍手だったり、いいねだったり、リツイートだったり、メッセージだったり、イベントへ会いにきてくれたり、通販で購入してくれたり。形は様々ですが、そのどれもが心から嬉しくて、いただけるたびに報われた気持ちになります。その時は自分の書いた話が価値あるもののように感じられて、ちょっとだけ好きになれます。
前置きが長くなりましたが、とにかく私の言いたいことは、「あなたのおかげで自分は創作活動が続けられている」ということです。
時々、創作の難しさや面倒くささに何もかも投げ出したくなることもありますし、やっぱり自分の書く話ってそんなに面白くないんじゃ……とネガティブになることもありますが、あなたが受け入れ、楽しみ、それを形にして伝えてくれていることにはずっと感謝しています。
今回のイベントで強くそう思いました。
本当に、いつもありがとうございます。