好きな人の話をしよう

hika
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同性愛表象に関するマイクロアグレッションの話です。ちょっと今そこに触れる気力ない…という方は読まないほうがいいと思います🥲

サニーのことを最近ずっと考えている。サニーが好きだから。

私がにじさんじENを知って最初に惹かれたのはサニーだった。見た目が好きだったから。サニーのホラゲ配信かなにかが、私が人生で初めて観たVtuber配信だったと思う。

そんなサニーは、明らかに自らの特権性に無自覚なところがあって、薄々気づいていたし、はっきり言って毎回雑談配信を聞くたびに何かしらマイクロアグレッションに遭遇している気がする。

遭遇した直後は、やっぱサニーだめかも…ってなるんだけど、しばらくするとその傷も癒えてきて、また新しい雑談配信があると聞きに行ってしまう。だってサニーの声好きなんだもん。喋り方も、テンポも、好きなんだもの。仕方ないじゃん…。

でもさすがに、目をつぶっていられるのにも限度がある。そう思って、過去にめちゃくちゃプライベートな状態でぷらいべったーに公開していた2023年11月の文章をここで改めて公開する。私のサニーへの葛藤を残しておきたいし、一緒に悩んでくれる方にも読んでほしいので。

以下、11月14日に投稿した文章をそのまま掲載。

言及する配信: https://www.youtube.com/live/K5RXDLVGQwU?si=bCJm8DLDOjB7OgsO

タイムラインを見ていたら、サニーがハンニバルというドラマシリーズの話をしている時に"let's just say it gets very "tropical" at the end of it. yeah, you know what I mean."と言っているシーンの切り抜きを見つけた。その切り抜きツイートには、「サニーが"fruity"の代わりに"tropical"と言った」とキャプションがついていたので、おや、なんかクィアな話かな?と思って、気になった私は切り抜きを再生した。大体結末わかってんだからやめればいいのにね。

サニーの口ぶり的に、ドラマの最後の方でゲイなロマンスがあって、でもそれを明言してネタバレしたくないからやんわり仄めかしたってことなんだろうと思ったけど、いやなんでそもそもそんな明言しちゃいけないことみたいな言い方されなあかんの😂ってなったし、ネタバレ本当にしたくないならtropicalも言わなきゃいいのに🥲ってなった。

そのあととりあえずドラマのことを調べて、ハンニバルのメインの男性たちがゲイなロマンスに落ちる展開があるとを知り、クィアベイディングを避けてうまく作品に落とし込んでいるとして評価されていることも知った。

元配信の流れも知らなきゃわからないと思って、最初に貼ったリンク先の元配信も観た。タイムスタンプ作ってくれてる方がいるので、ハンニバルの話のところだけ観られると思うけど、サニーがtropicalの話をしたのは、「ハンニバル良いドラマだしおもしろいけどたまにファンフィクションみたいなところあるよね」という流れの中でだった。ちなみにこのファンフィクションみたいだという例えを最初に出したのはチャットの人です。とはいえ、ファンフィクライターたちが作ったみたいだなって思うところあったんだよね!ほら、ゲイな展開もあるしさ、みたいな流れだったので、いやいやちょっと待ってくれ〜となった。ゲイなロマンスが全部フィクションのBLだと思ってるの…?現実の世界に生きるゲイたちはたくさんいるし、これまでのエンタメにクィアな表象が足りなさすぎるから、たくさんのクリエイターが一生懸命丁寧なクィア表象を入れたドラマや映画を作ろうとしてくれてるんだけど…?みたいな。実際このドラマは現実のクィアたちにそぐうような丁寧な描写をしたことで評判らしいし、そんな言い方するような陳腐なものではなかったんじゃないの…?とか。少なくとも、ファンフィクみたいな展開があったことの例として"fruity"な展開があったことを出されると、「あぁこの人、エンタメの中のゲイロマンスをいわゆる"腐女子"によるカップリング創作と同じように捉えてるんだなぁ」と思えてしまう。

大体、もし異性愛カップルのロマンスがあったとして、それを仄めかすときに隠語みたいな表現使ったりするか?とも思う。異性愛ロマンスが発生することを明言せずに伝えようと思ったら、せいぜい「良い感じになる」とかくらいじゃない?これはサニーに対してだけじゃないけど、fruityとか言わずにロマンスは全部ロマンスとして表現すればいいのにね。当事者が意図を持って使う場合はまた違ってくるんだけど。

ちなみにその切り抜きを作った英語圏ファンの方は、そのシーンのサニーのスクショに"i know what you're quite tropical"の文字を入れてミーム画像を作っていた。そのいいねなんかを辿ると、クィア当事者と思われるファンもいて、どうやって受容されるかは文化的コンテクストによってやっぱり違うのかなぁと思った。もちろん個人差もあると思うけど。私はあくまでも日本社会のコンテクストでサニーの発言を理解したし、私の経験や学んできたことによるバイアスはかかってるから、これを読んでるみなさんにも、私が書いたことを全部鵜呑みにはしてほしくないなと思います。こうやって文字にしたことで自分の中で整理できたし、ENのみんなを応援する中で感じたことを言語化して残しておきたいなと思ったので書きました。

サニーは異性愛規範抜けきってないところあるなぁとファン/チャットへの対応なんかを見てても思っていたけど、今回のことでやっぱりねと確信してしまった。私はサニーの配信スタイル好きだし彼のおしゃべり楽しいから今後も聞きに行くことはあると思うんだけど、迷ってたメンシはきっと今後も入らないままだろうなと思った。直接的な差別的言動でなくても、マイクロアグレッションはそれだけで傷つくし、なるべく傷つかないようにエンタメを楽しみたい私としては、残念な出来事でした!読んでくれてありがとうございました!

過去の文章はここまで。

私もこれをさっき久々に観て、いや私の分析間違ってなかったよ…と思った。

というのも、つい昨日(21日)に配信された雑談配信で、サニーが「DEATH NOTEとか今観ると"こいつらどうみてもゲイじゃん!!"ってなるんだよね。なんで当時あの関係性が見えてなかったのか不思議なくらいだよ」というようなことを言っていて、リアタイで聞いていた私は「はん?!ついにサニーもクィアリーディングを?!」と一人で盛り上がっていた。そもそもgayって単語がサニーの口から出るなんてリスナー誰一人思ってなかったと思う。

でも、その言葉の直後に、「wow yaoiって感じ」みたいなこと言ってて。うーん、そっかー!現実のクィアとしてリーディングしてるわけでも現実のゲイたちのことを言ってるわけでもなく、フィクションのね!そっちのほうね!となって落ち込んだ。まさに私がぷらいべったーに書いていたことだ。ゲイなロマンスを全部フィクションのBLだと思ってるように聞こえる。もちろんこれはサニー個人の思想の問題ではないし、日本語のyaoiが英語圏にも定着し、多少意味も変わってるんだろうしクィア当事者でこの言葉を使う人もいるし。としても、同性愛表象を見たときにすべてをBL, yuri, yaoiに変換されるのは心地の良いものではないよね。

あと私がここまでがっかりしてしまうのは、サニーは仮にも同性婚がとっくに法制化されてて、クィアな人間たちが身近にいる環境に身をおいているという事実があるからだと思う。これが日本社会にずっと生きていてそもそもLGBTQってなんじゃらほいみたいな状態の人の言動なら、私ははぁ、とため息をついて、これから知る機会があるようにと願うだけで済むのだけど、サニーはいくらでも知る機会が、タイミングがすでにあった/ある人だと思う。それなのにどうして?と思わざるを得ない。

サニーは確実にアライだ。うきやふーちゃんやれいむと仲良くしてるのもちろん知ってるし、クィアな人々との関わりの中でヤバい発言を聞いたことは一度もない。でも、サニーは特権性に無自覚だ。これは事実だと思う。あんまり考えてないんだと思う。私はサニーをどう好きでいたらいいのか、ずっと考えてる。サニーの配信は観たいし、応援したいし、好きでいたい。でもわくわくして参加した配信でマイクロアグレッションによってがっかりさせられるのは正直うんざりだし、嫌になる。うーーーん。サニー。サニーーーーー。サニーの歌が大好きだよ、リアルで会ったみんなに優しい人だって言われてて、まじで気遣い屋なの知ってるし、カオスな内面も好きだし。だからこそ困る。サニー。