いただいたマシュマロ:
浮奇の女性と間違えられた話のことで質問があって送りました。
少なくともレンタル着物の店員さんは悪気があって間違えたわけじゃないと思うんですが、その場合もミスジェンダリングに当たるというのを今回のことで学びました。ただ当事者でない私にとっては、無意識や無知による意図のない発言を知らない内にしてしまうのではないか...と怖くなりました。浮奇が発信してくれる様々な情報を知ろうと努力はしていますが、知れば知るほどに万が一でも傷つけるようなことがあったら嫌だなと思って何も言えなくなって、浮奇から離れた方がいいかなと思うこともあります。当事者ではないstargazersにも出来ることはありますか?また、万が一にも意図していないことで傷つけてしまうことがあったらどうしたらいいですか?
まとまりのない文章で申し訳ないですが、浮奇のことが好きだしもっと理解したくて相談させてもらいました。いつも発信してくれてありがとうございます。hikaさんもご自愛ください。
以下私のお返事:
私はジェンダーやセクシュアリティについて専門的に学んでいるとはいえいち学生なので、いち意見として聞いてほしいんですけど、伝えたいのは、"悪気があるかないか"は差別や偏見の問題においてまったく関係なく、さらに例えそれを受けた本人が問題なさそうに語っていたとしてもそこに構造的な問題がある限り、見過ごすことはできないということです。
今回のうきが経験した浴衣の話が問題なのは、社会に生きる多くの人間の中に"人間の性別は男と女の2つだけである(男女二元論)"、"目の前の人間の性別は見た目だけで判断できるししてもいいのだ"という強い規範があることにより、うきの見た目だけで、そして男女二元論に沿って、他者が勝手に性別を断定したことです。具体的に私が危機感を持ったのは、うきが女性に間違われた経験自体ではなく、その根幹にある男女二元論と見た目で他者の性別を決めつける行為の暴力性です。この2つは"(社会規範的に)男らしくない男"、"(社会規範的に)女らしくない女"へのヘイトクライムやトランスジェンダー排除、ノンバイナリーへのミスジェンダリングにつながるからです。
男性であるのに女性と判断される事自体は、正直他のいろんなところで起きてるだろうし、むしろ"女性のようにかわいいって思われたんだ"というようなポジティブな意味でもとらえられるかもしれませんが、例えうきがそう感じて嬉しく思っていたとしても、この出来事の根幹にある男女二元論や他者の性別を外見だけで勝手に決めつける行為は、うきが過去に経験したと話していた、公衆トイレでの暴行を引き起こした原因でもあると思います。うきはこの暴行について詳しくは語りませんでしたが、要するに、前述した通り、見た目がいわゆる男らしくない存在が男性トイレにいることで、ヘイト行為をするやつらがいるということだと思います。ゲイ男性が"女のような男"というレッテルを貼られて差別されていた歴史を鑑みても、決して、相手が悪気がないからといってスルーしていいことではないんです。
また、うきは初期の配信で、自らのプロナウン(自らが他者にどの性別で認識されたいかを示す代名詞)として、he/himとthey/themのふたつをあげていました。うきのことを語るとき、私も"彼"という表現をしてしまうし、うき自身も"男ですけど"と伝えたと話していたので、今のところそのままで問題はないかもしれませんが、男女二元論によって簡単にジャッジしてしまっていい人ではないことも、忘れてはいけないと思います。
自分が無意識に傷つけてしまうかもしれない怖さについては、自分が加害側になる可能性があることを自覚し、アンテナを張って、自ら学び続ける姿勢を持つことでしか解決されないと思います。私も不適切な表現をしてしまう時はあるし、全然足りないところばかりです。でも、うきが何を伝えようとしているのか、何を大切にしているのか知ろうとして、知らなかったら自分で学んで、間違ってしまったら反省して謝って…この繰り返しをしていくしかないと思います。それが難しくて、苦しい時は離れるのも手だと思います。でも、人を生きてる限り絶対無意識に誰かを傷つけてしまうと思うし、過敏になりすぎて好きなものを好きでいられなくなるのは悲しいです。だから、傷つけてしまう可能性をちゃんと理解して、自分の中のバイアスと向き合うしかないと私は思います。