大学時代に飲み会でコミュ力を鍛えようとした話

hikaru_55
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 どうもみなさんこんにちは、ひかるです。

 私は大学時代、よくサークルや研究室の飲み会に顔を出していました。それは飲み会が好きだからとか、お酒が好きというわけではなく、別の目的があって出席していました。

 今回はそのお話をしようと思います。

社会人に必要なのはコミュ力だ。だから飲み会の場所で鍛えよう

 大学生の私は、一年生のころから「社会に出たらうまくやっていけるだろうか?」という不安を抱いていました。

 頭も良くないし、何か突出した能力があるわけでもない。英語も出来ないし、心身が強いわけでもない。こんな自分が、社会という戦場でやっていけるわけがない。ずっとそんな風に思っていました。

 とはいえ、その不安を払拭せずに、悶々と大学生活を過ごすのは無駄ですから、自分なりに対策をしようと思ったわけです。

「社会人にはコミュ力が必須だ」という話をなんとなく聞いていたので、「よし、そしたらコミュ力を鍛えて、社会人になるのに備えよう」と私は考えました。

 そしてその訓練の場所として選んだのが「飲み会」でした。

 なるほど、飲みニケーション(死語?)の能力を鍛えようとしたのだな、と思われるかもしれませんが、正確には違います。

 実は私、お酒があまり得意ではありません。すぐに酔っ払って、気持ち悪くなってしまいます。ファジーネーブルとか、うっっっっっすいハイボールを一杯なんとか飲むくらいでした。なので、お酒を飲む量で場を盛り上げることはできません。

 私がやっていたのはこんな感じでした。

  1. 飲み会が始まって30分くらい経ったら、自分の席を立ち、別のテーブルに行く

  2. そのテーブルにいる誰か一人と入れ替わり、その人に自分の元いたテーブルに行ってもらう。自分は新たなテーブルに座る

  3. そのテーブルで盛り上げる

  4. いい感じに盛り上がったな、と思ったら、また席を立ち、1から繰り返す

という感じでした。

 私は飲み会に出席するたびにずっとこんなことをやっていました。誰に指示されたわけでもなく、何かの本を読んで影響されたわけでもなく、ただひたすら自分の意思でやっていました。

 どうしてこれでコミュニケーション能力が鍛えられるのか? 根拠は以下の通りです。

自分が座ったテーブルにいるメンバーから適切な話題をチョイスし、盛り上げることで、トーク力と頭の回転を鍛える

 テーブルを代わる代わる移動するわけですから、そのたびに会話相手も変化するわけです。しかも、飲み会の席なんてだいたい適当ですから、テーブルによっていろんなタイプがあるわけです。とにかくお酒を飲んで盛り上がりたい席や、じっくりと静かに会話する席、あるいはなんかの間違いでまったく盛り上がってない席、など。

 参加者の数だけ、テーブルごとにいろんな空気があるわけです。この空気に順応し、その場にふさわしい話題を提供したり、盛り上げたりする必要があるのですが、この適応がけっこう大変です。

 そのテーブルに座っている人の正確や特徴、好みのトークテーマをを観察し、考えながら盛り上げるわけですから、常に頭が回転しています。時には泥酔した人を演じて品のない会話を提供したり、あるいは真面目な人が多ければサークル活動や研究の真面目なトークを繰り広げたり。これをすることによって、トーク力と頭の回転力が鍛えられます。

 また、この特訓をするときに、注意することがあります。それは「あまりお酒を飲むな」です。根拠は以下の通り。

お酒をあまり飲まずに場を盛り上げることで、シラフの頭を使って会話を繰り広げる練習ができる

 酒の席にコミュニケーションなんて、酔った勢いでなんとなく行うイメージが強いですが、私も同様に酔っ払って適当に会話するというだけではコミュニケーション能力なんて鍛えられません。なので、あえて私はシラフでこの特訓をやっていました。もともとお酒が強くなく、飲むこと自体もそんなに好きではないので、それが功を奏したという感じです。

「酔っ払わずにどうやって飲み会で盛り上がるのか?」と疑問に思われるかもしれません。そこは「場酔い」でカバーします。つまり、飲み会の雰囲気に飲まれて気分を高揚させる、というわけです。酔っ払いを相手にしゃべってると、なんだかこっちまで楽しくなるでしょう? それを利用するわけです。

 といいつつ、私はこの「場酔い」を、誰も酔っ払っていない状況で発生させることができました。まだ飲み会が始まって間もないのに、誰よりも酔っ払っているフリをするわけです。これはもう、なんというか憑依芸みたいなもので、自分に酔っ払いを憑依させるみたいな感じです。すると他の人達は「お前もう酔ったのか! 俺達も負けてらんねぇ!」となり、さらに宴の勢いを深めさせることができるのです。

 飲み会が終わるまでに、私はビールを一杯も飲み切っていません。ほぼシラフです。そして場が解散した後にやることは一人反省会です。「あの席での盛り上げ方は正解だったか?」「もっとあの人を楽しませることができたのではないか?」という感じです。もっと自分のトーク力が高ければ、たくさんの人を楽しませることができたかもしれない、と。

 まあ、そんな感じで、大学時代はコミュニケーション能力を鍛えるべく、飲み会の場で頑張っていたわけです。

 では、そうやって鍛えたコミュニケーション能力は、果たして社会人生活で役に立っているのでしょうか?

あまり役に立っている実感はない

 まあ、正直な話、飲み会で盛り上げることがうまいからといって、それが社会人生活ですごく有利に働くかというと、そうではありません。社会人に求められるコミュニケーションってそれだけじゃありませんからね。また、これは余談ですが、私は新卒で入った会社の飲み会では、他人・他部署の悪口を言って盛り上がることが文化としてあり、それに心からうんざりしたので、それ以来飲み会にあまり行かなくなってしまいました。

 とはいいつつ、下記の点で役に立ったと言えなくもないかなと思います。

相手の特性を理解した上で、コミュニケーションのやり方を変えるようになった

 コミュニケーションのやり方なんて、話し相手の性格や考え方で大きく変わるものですから、相手の特性を理解した上で、会話内容や話し方を調整する必要があります。相手が楽観的な人であれば、こちらも合わせて楽観的になる必要があるし、大人しく真面目な人であればこちらもそうなるまでです。これは誰でも、大なり小なりやっていることだと思います。飲み会の場で、短い時間でたくさんの人と会話をすると、この能力が鍛えられる感じがしますし、これは実生活でも役に立つのではないでしょうか。

適切・適当な話題をとっさに思いつくことができるようになった

 これもけっこう大事な能力だと思います。私は会話の途中で気まずい沈黙が生まれるのが嫌なので、隙間を埋めるように雑談することが多いのですが、そういうときにパッと話題を思いつくと便利です。飲み会の場だといろんな人がいるわけで、その人達が盛り上がるような話題をとっさに見つけるのは苦労するわけですが、その特訓を積んだおかげで話題選びに困らなくなった気がします。

結論 : 別にこんなことをしなくてもコミュニケーション能力は鍛えられるはず

 今どき、コミュニケーション能力を鍛える場が飲み会しかない、なんてことはないですし、私の特訓方法も正直効果があったのか微妙なところなので、みなさんは適切な特訓方法を見つけてください。