アカデミアへの憧れ

hikihune
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 6歳から22歳まで学問をある程情熱的にやった感想として「振り返ってみるとあたしあんま頭よくねえな」というものがある。母などはけなげなもので「お前は頭がいいから」と折に触れて口にするのだがマジで全くそう思われないので、その口上を聞くたびに少し尻の座りが悪いというか率直にみじめなさが滲む。

 大学受験期、国立志望で5科目勉強していた割に、最後まで数学とも生物とも仲良くすることができなかったということが大きな傷となっているのだが、それを差し引いたって、まあ社会人なら日常生活をしていて、自分の頭がいいか悪いかなんていうのは大体わかりますよね。それでも19歳ぐらいまでは「なんとかなる」と信じ込んでいたのだから結構思い込みの力は大したものです。「私は選ばれている」と信じていたわけ。一体何にだろう、もう忘れた。

 頭がよくないわりに学問への憧れが強いのは、コンプレックスの賜物なのかね。学生時代万葉集の研究をするゼミに居たのだけれども、今はもう古文の文法すら忘れてしまったくせに、いつかまた研究に戻れたらなあ、と夢想することがある。最近、大河ドラマの舞台が平安時代で、和歌や漢詩の情報がざぶざぶネット上に溢れているから、余計に未練がましい衝動がひょっこりと顔を出しがちだ。

 学部生で触れられた学問は深淵のほんの淵の部分で、万葉仮名だの崩し字だの文学史だのを頭にいちから入れて学ぶなんて到底無理だろうに、そのことを考えずにいられない。もしも今の仕事の資格がとれたら、次は放送大学でも入って、また古文をやろうかな。

@hikihune
安住の地を探して ここがわたしのインターネットの終着点、そうなったらいいのにな。