数年前から祝日が休みになる仕事をしている私は、このたびの祝日ラッシュで五連休を手に入れた。そういうわけで、せっかくだからどこかへ行こうと計画をたて、さあ、行かん!
どこもかしこも宿泊費が跳ね上がるなか、連休にもかかわらずたいへんありがたい価格で泊めさせてもらえるのが民泊である。
以前、そういうスタイルの宿泊施設を利用したことがあったため、抵抗感なく連泊で予約した。朝食付き、一泊七千五百円也。
とはいえ、前回の経験が通用しないところもまた民泊らしさである。どちらがどうなのか、まだ二箇所しか利用したことがないので比較するのが難しいのだが、とにかく全く違った宿泊体験となった。
まず、家主は自由である。あ、そこは一緒かもしれない。誰が自分の家の中にいようとも、自分の時間を過ごしている。私がいても全く気にせず自分のご飯支度をして、そうして私と向かい合わせに座り、それぞれの晩ご飯を食べる。今日何をして過ごしたのかを話したり、話さなかったりする。他人と時間を共有するのがとても上手な人だと感じた。
私が最も「この人、本当に誰がいても自分のペースでいられるんだ」と思ったのは、飲み終えた麦茶のグラスをダイニングテーブルに置きっぱなしにしたままソファに移動したときだった。そしてそこでスマートフォンをいじり、たまに私に話しかける。こういう人が民泊をやれるんだろう。
「洗い物はあとでまとめてやるので置いといてください」と言ってくれたので、ありがたくそうさせてもらった。
今回泊まったのはちょっと大きな普通の家なので、周囲も当然普通の家やお店が並んでいる。とくに飲み屋街めいた雰囲気があるので、夜もやっているお店が多い。閉まるのは早いけど。
初日の夜は、酔っぱらって上機嫌になった人たちの声が窓の外から聞こえてきた。普段が森の中で、ほとんど音がない生活なので、外から人の声が聞こえるというのはひさしぶりのことだ。だからだろう。楽しそうだと思っただけで、うるさいとは感じなかった。
二日目、夕方ごろから向かいの家の駐車場で焼肉がはじまった。こどものはしゃぐ声と、肉の焼けるいいにおいが部屋に流れ込んでくる。これを打っている今は、こどもが大きな声で歌っている。なんの歌だろう。わからない。