また雨か〜な休日の朝、とても素敵な漫画を読みました。
まず、あ〜こんな友達関係いいな〜と思いました。こんな友だちが欲しいし、こんな友だちみたいに自分もなりたい。初めてのデモに踏み出す一歩。それは友だちと過ごす日常からゆるやかに繋がって、そこにはハードルなんてなかったことがとても優しく描かれています。
二人のあいだにあった境界線が点字ブロックなのがすごくいいなと思っていて、というのも、点字ブロックが何のためにあるのか、誰にとって必要か、そしてそれが足元にあることを知っていれば、踏まないし足をどけますよね。デモなんて行ったことない彼女が友人からもらったビラを読んで自分で調べて「知った」からすごくモヤモヤしたように、「知ること」が大事なのだというメッセージなのかな、と思いました。
ところでこちらの漫画を読んで、過去に一度だけデモに参加したことを思い出しました。
2019年のフラワーデモです。東京の2回目、5月11日でした。
そのすこし前、同年3月にかなり悪質な性犯罪への無罪判決が次々と出て、それについてSNSで批判が高まり、早くも4月11日には第一回目のスタンディングデモが開催されました。
わたし自身が過去に深刻な性犯罪被害にあったとかではないんですが(軽微なものを含めればゼロではないですが)、なんかもうシンプルに被害者の方たちのためになにかしたい、状況を変えたい、という気持ちで思い切って行ってみました。
誰かと誘い合ったわけでなく一人で、というかその日はワンオペだったので子供二人を連れて行きました。だからあんまり長居できなかったし、すこし離れたところでところどころスピーチを聞いて帰っただけですが、切実ながらもあたたかい雰囲気で、行ってよかったです。
やっぱりひどい現実を目の当たりにすると傷付くんですよね。そしてこのままだったらどうしようと心が不安定になる。だからデモに行ってちょっと救われました。同じように、貴重な時間を使って、電車に乗って、花を一輪ずつ買って、わざわざひとつの場所に集まる人達が可視化されたことに。オンラインとはすこし違う、目に見える連帯は思っていたより大きな癒やしがありました。
わたしはデモに意味があるのかどうかなんて考える間もなく、なんかもっと感情的になって行ってしまったんですけど、でもやっぱり意味のあるなしにかかわらず行ってしまうのがデモであって、坂本デラさんの漫画の最後の「それでも」という言葉なのかな、と思いました。
でも実際、意味がないなんてことはないですよね。通行人の目に留まる、集まった様子の写真や動画がSNSで拡散されてもっと多くの人の目に留まる。それだけで十分に意味がある。この漫画のように一人の友だちが興味を持って参加してくれたことだって大きな変化です。
フラワーデモ以降、性犯罪の裁判は注目されるようになり、2023年には同意がない性行為が犯罪になり得ることを明確にした法改正もありました。ちなみにデモの契機となった無罪判決の4件のうち3件は高裁で逆転有罪となりそのまま確定してます(1件は控訴なし)。もちろん他の理由もありますが、デモの影響も少なからずあったと思います。
日本の社会は変わりにくいのでなかなかすぐには効果は見えないけど、数年後に振り返ったときに、あのときのアクションに意味はあったんだなと思えることはけっこうあるので、わたしも出来る範囲で地道に続けていきたいなぁと思います。
個人的にガザ問題についてはオンラインでできることや不買くらいしかやれてないので、デモに参加してる人たちにはすごく感謝しています。この漫画みたいにお友達どうしで行けたら一番楽しそう。なかなかデモをやってる時間帯に家を空けづらいので難しいですが、もう少し自由に動ける時間が増えたら、わたしも誰か誘って二回目のデモに行ってみたいなと思いました。
そんなこんなで今日も家から出られなかったのですが、せっかく朝から良い漫画を読んだので、何か関わりのあることをしたいなと思い、アジアンドキュメンタリーさんのサイトで今無料配信されている『ガザ 自由への闘い』と、
こちらは有料ですが『医学生 ガザへ行く』を見ました。
あまり内容は知らずに見たのですが、どちらの作品も2018年に始まった〈帰還の大行進〉という境界線付近でのデモ運動をパレスチナ側の二つの違う視点から見たドキュメンタリーで、続けて見てよかったです。
「同情ではなく、人権がほしい」
〈帰還の大行進〉デモの負傷者のため医療ボランティアで参加していた娘を銃殺された女性の言葉です(『ガザ 自由への闘い』)。
「何が最悪って、僕は帰れる。サディは帰れない。持っているパスポートが違うだけで」
爆撃の始まったガザで外国人居留地に避難するイタリア人留学生リカルドの振り絞るような声。サディはパレスチナ人の友人。(『医学生 ガザへ行く』)
先月、銀座の中東料理ミシュミシュさんに訪れた時に撮った写真。とってもおいしかったです。また行きたいな。
↓ミシュミシュさんのスタッフさんが今中東諸国を巡られていてパレスチナ含め現地の写真が見られます!
2024.2.25