夏ドラマはけっこう脱落がちなんだけど今年の夏はまあまあ見たほうかな?並べて見ると漫画原作ばっかりだな〜なんてことを思いました。
『西園寺さんは家事をしない』
原作未読。松本若菜ちゃんをちゃんと見るのがほとんど初めてだったのだけど西園寺さん役がめっちゃよくて大好きになりました!!あと松村北斗くんも『夜明けのすべて』がめちゃめちゃよかったので他の作品も見たいな〜と思ってたのでナイスタイミングでした。ルカちゃんもリキもかわいいオブかわいいだし、そしてなんといってもカズト横井〜!ぐるぐるさ〜ん!最初はうさんくさいユーチューバーかと思ったら、仕事はできるしジェントルだしルカちゃんにも秒で懐かれるし、あと西園寺さんにめっちゃ誠実だったのがよかった〜!あと声がいい(真顔)。
最終回ではとくに西園寺さんのお母さんの語りが胸を打ちました。ケアワークの担い手でいるってひたすら時間を奪われることでもあるんですよね。やりたいことを諦めていくしかない、そのうちに自分がなにをしたいのかもわからなくなっていく。西園寺さんのお母さんは子どもたちを傷つけても、そこから逃げ出さなければ生きていけなかった。その苦しみを描いてくれてよかったです。
ただ偽家族という新しい人間関係は魅力的ながらも、非常に属人性の高い関係ではあったな〜とは思っていて。ケアワークをシェアすると言っても責任も伴うので、その責任に対するギブアンドテイクの取り決めがそんなファジーでいいのか、西園寺さんじゃなきゃきびしいよね…とかは現実問題として考えちゃいましたね…
結局恋愛に回収しつつも、最後までルカちゃんを真ん中に、ルカちゃんの気持ちを最優先にしてたのはとてもよかったし、あと保護者友の中にレズビアンカップルがいたり、エリサさんも同性の恋人がいたりしたのもとてもよかった。火10は異性愛から抜け出せないのなら、今作のようにせめて周囲にセクシャルマイノリティを存在させてほしいな!
『Shrink〜精神科医ヨワイ〜』
こちらも原作未読。精神科医を主人公としたドラマ。難しいテーマでちょっとしんどかったけどいいドラマだったな。いろんな治療法があることも知れてよかった。中村さんのお声がほんと穏やかでやさしくて聞いてるだけで癒しでした。でも3話は短かったな〜。続編あるといいですね!
『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』
こちらも漫画原作。日本のレズビアンドラマを見るの初めてだけどめっちゃよかった〜!加藤史帆ちゃんの彩香ちゃん(めちゃかわいい)の猛攻になんとか耐える森カンナちゃんの弘子先輩(ほんとは好き)のやりとりのすべてがとにかくかわいくて、でも終盤は同姓婚できなかったり同性愛への差別がある社会の問題にも触れられているあたり、とても誠実だなと思う。そういう原作、制作側の姿勢も大好きです。あとふたりが働くスタートアップ企業や、弘子先輩行きつけのレズビアンバーにいる人たちもみんないい人で余計なストレスがなかったのもよかった!
『あの子の子ども』
原作途中まで既読。高校生の妊娠をテーマにした、深夜にしては重いドラマでした。
若い二人(細田くん、ひよりちゃん)を始め役者さんたちは粒揃い、ロケ中心の映像も美しく、製作陣の気合いの伝わってくる映像化でした。若者たちの必死さにも、大人たちの誠実さにも毎回泣かされた。
ただそれだけに、ラストになんとも言えない苦味が残ってしまう。これが今の社会における最善だから。本人たちが決めたことだから。それはわかる。だけどほんとうに福はこのまま高校を卒業できなかったのか。宝は陸上の道を諦めずにすむ道はなかったのか。どうしても考えてしまう。「責任を取る」という言葉が何度か出てきたけど、これじゃやっぱり子供を産むことによってなにか罰を受けなければならないようにも見えてしまう。フィクションだからこそ、これが現実になればいいのにと、そう思わせてくれる幸福なラストが見たかった気がします。
『ウソ婚』
『あの子の子ども』の脚本がめちゃめちゃよかったので脚本家である蛭田直美さんの過去作を追いかけることに(ドラマクラブらしい活動)。こちら去年のドラマですね。
こちらも漫画原作で無料分だけ読んだ。原作には薄い人間ドラマ的なパートがすごく繊細に描き込まれててやっぱこの脚本家さん好きだな〜と思う。映像もここぞというシーンではロケで役者さんたちをすごく綺麗に撮ってくれてたのもよかったです。
タイトル通り、いわゆる契約結婚モノなのだけど、クールなキャラを装いつつ八重にぞっこんな匠を菊池風磨くんがめちゃコミカルに演じてておもしろかったし、長濱ねるちゃんの八重もピュアで癒された。レミさんという、原作ではふつーにたくみ狙いのヤな女キャラが、ドラマでは恋愛感情じゃなく、異性間の友情がパートナーの出現によってうまくいかなくなるのが納得できなくて意地悪しちゃうキャラに変更されてるのすごくよかったし、進藤くんが匠のことを好きだったというエピソードもドラマオリジナルだと思うのだけど、めっちゃ切なくて泣けた。
全体的にかわいくて優しい世界で癒されました。疲れた時にまた見たいです。
『舟を編む〜私、辞書つくります』
こちらも蛭田直美さん脚本。原作はもちろんあの有名な三浦しをんの同名小説。ドラマ見終えて改めて原作小説と映画版も見ました。
原作小説は辞書作りに関わるいろんな人が視点となる連作短編小説なのだけど、そのうちの一人である新人編集者・岸辺みどりが本ドラマの主人公です(映画版では黒木華が演じていた)。
全10話とあってかなり話を膨らませてあるしオリジナルのエピソードもあるのだけど、原作にはあって映画では落とされていたエピソードを上手くアレンジして使ってあったり、物語の舞台を2010年代に変更することによってコロナ禍も描いていたり、原作や映画のファンを驚かせるようなラストのサプライズもあったり、やっぱりとても脚本が良いな〜と感じた。
主演のエライザちゃん、ほとんど初めましてだったのだけど、めちゃめちゃ魅力的なヒロインで大ファンになっちゃったし、製紙会社の宮本くんを演じた矢本くん、映画ではオダジョーが演じていた西岡を演じていた向井さん、オリジナルキャラである天童くんを演じた前田旺志郎くんなどなど、キャストがみんな最高だった。
原作にもある恋愛の定義(異性間のみじゃないですよねという疑問)についてのエピソードも、ドラマでは実際に同性愛者のキャラクターを出すことで現実としっかり繋がってる感じがしてよかったし、SNSでの誹謗中傷など言葉が人を傷つけることにもしっかり向き合ってたし、2024年今ドラマ化することにちゃんと意義のある映像化だったと思う。
みどりちゃんと宮本くんの恋愛模様もめちゃかわいくてよかった〜!とにかくあらゆる人間関係が丁寧に描かれていて、かつお仕事ドラマとしてもアツくて、本当に見てよかったドラマでした!
『恋愛バトルロワイヤル』
ネトフリドラマ。ターゲット視聴者層ではないことも自覚しつつ😂、主演のお二人が好きなので見てしまいました。がっつりネタバレありです!
まずネトフリだからか、お金持ち描写が日本のドラマにしてはちゃんとしてた!プール付きのお家で高校生たちがパーティーするみたいな層が日本にいるのかは私もわかりませんが、アメリカのドラマでよく見るやつを日本舞台のドラマで見られてちょっとうれしかった。あと玄関の扉が分厚いとか基本的に天井が高いとか、リッチな建物描写もリアルな感じ。
恋愛禁止というルールについてはまあそういう設定なので…と受け入れて見てましたが、終盤で恋愛禁止は人権侵害という台詞が出てきて、えっそれ言ってよかったんだ…と思いました😂
終盤の裁判の展開がかなり地に足がついていて、予想より良いドラマになるのかも???と期待したものの、『あの子の子ども』と同じく、これが2024年の日本の限界でーす!みたいなラストだったのでガクッとしちゃいましたね…
あとアウティング描写が二度あって、一度目は嫌がらせとしてのアウティングだったので、アラートを出すべきとは思ったけど、描く意味はあるとは思ったのですが、二度目のアウティングはめちゃさらっと行われていてなんのツッコミもなかったので、このドラマはアウティングについてどう考えているんだろう???と疑問に思いました。
同性愛者が何人か出てくるのはよかったし、異性愛カップルは処罰の対象なのに同性愛カプは無視されるというエグさを描いたのはよかったけど、たったひとりしか出てこないレズビアンの女の子に自分の恋がうまくいかない腹いせに異性愛カプ狩りに精を出すという設定を乗せるのはあんま良くないのでは…とも思いました。
気になるところは多かったのですが、なんだかんだ数日で完走しちゃったし、主演二人の恋はとてもかわいく切なくて、そこはよかったです!!!
今月でとらつばが終わるので、とらつばで忙しかったぶん、来季はもうちょっとドラマ見られるといいな。とりあえず日9が楽しみです!極悪女王も見るつもり。あと海外ドラマを最近見てないのでなにか見られるといいな〜