「シスターフッド書店 Kanin」を訪ねて

hinata625141
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公開:2025/8/19

京都にある「シスターフッド書店 Kanin」はオープン当初からX(当時はツイッター)経由で存在を知っていた。わたしは京都の義実家に年に二度は帰省するのでそのうち行きたいなぁとぼんやり思ってたら、気づけば年単位で時間が過ぎていた。というのもこの書店、義実家からはちょっと微妙な位置にある。義父が免許を返納してから義実家にも車がないし、タクシーだとちょっと掛かりそうだし、公共交通機関でこの店に行くにはどうしたらいいんだろうな…と地図を何度か見ては実行に移せずにいた。

救世主はバスアプリでした。位置的に義実家からバスで行くのも難しいやろ〜と勝手に思ってたんだけど、バスアプリで調べてみたらワンブロックくらい歩けばなんと一本で行けることがあっさり判明!ビババスアプリ!!ビバ市バス!!!

市バスの停留所

わたし学生時代は京都に住んでたんだけどそのころは基本自転車移動だったし、結婚後の帰省で来るようになってからはタクシーで移動することも多くなって、バスを意外と使い慣れてなかった。これからは市バスもっと利用します…!

久しぶりに乗る市バスはまったく勝手がわからず、わたわたと乗り込むと、いつのまにか一律料金になっていて(昔は違ったはず)、後ろのドアから勝手に乗って、降りるときに運転手席の横でピッっとやってから降りるシステムだった。都バスと逆ルート。

わたしは京都市バスのシステムが良いと思った。というのも、降りるときに運転手さんに「ありがとう」と言いやすいから。都バスも乗車時に「お願いしまーす」と言う人はいるし、わたしも言うけど、なにも言わない人のほうが多いと思う。降りるときに「ありがとう」が言いやすいよね。「ありがとう」って言うの気持ちいい。

京都市バスのもうひとついいところ!先頭だけじゃなく真ん中のあたりにもモニターがあって、これから停まる停留所がいくつか先まで表示されてるところ!ほんと目の悪い民にはありがたいよ。初めて乗る路線だったけどこれがあったおかげでかなり安心できました。都バスも今すぐ真似しなさい。

そうしてやっと目的の「北白川別当町」に降り立つ。途中で京都芸大の前を通ったりはしたけれど、有名な観光地を通るルートではないせいかそんなに混んでなかったのもよかった。目当ての「シスターフッド書店 Kanin」はバス停からわりとすぐ。

歩道に置かれた小さな立て看板

路面店なのかなと勝手に思っていたら、パテオ形式(と言っていいのかわからないけど)のおしゃれなヴィンテージマンションの一室で、階段を半分ほど上がったフロアの右奥がKaninだった。

入り口のガラス戸

入ってみると、左奥のレジカウンターのあるスペースには店主らしい女性と小学生くらいの男の子がいた。軽く挨拶して店内をゆっくり見せてもらう。

一番最初に目に付く平台には、最近読んだばかりの本(『ガラスと雪のように言葉が溶けるー在日韓国人三世とルーマニア人の往復書簡』)や、そのうち買おうと思っていた本(『みえないもの』)や、気になってた本(『到来する女たち 石牟礼道子・中村きい子・森崎和江の思想文学』)が並んでいて早速うれしい。それから棚をじっくりと見る。古本も新刊もZINEもある。シスターフッドを冠してるだけあって、やっぱりフェミニズムやジェンダーがテーマの作品が多いのはもちろん、トランスジェンダーについても信頼できる本がちゃんと目立つ場所においてあったのにホッとしたり。

でもとりあえずはこれかな!と『シスターフッド書店Kaninができるまで』のZINEを購入し、ついでにビールもオーダーしてカフェスペースに座る。そう、この書店は素晴らしいことにお酒が飲めるのです!(もちろんコーヒーもあります) 幼馴染であり共同店主のお二人が酒好きらしく勝手に親近感を抱いてました。

ZINEとカールスバーグ

オランダのビール・カールスバーグを飲みながら読む『シスターフッド書店Kaninができるまで』が進む!冒頭の、のちの共同店主となるお二人が少女時代に源氏物語オタクとして仲を深める様子から面白すぎて、同じく源氏物語オタクの友人に絶対読ませようと心に誓う。実店舗としての書店を出すまでの紆余曲折もとても面白かった〜(ムカつくこともたくさん!)。それでもいつかやってみたいな本屋&カフェ!とますます憧れが高まりました。

軽食のメニューもあって、デンマークのオープンサンドイッチ・スモーブローやイタリア本場レシピのティラミスなど、それが店主お二人がそれぞれにその国に暮らしていたときに教えてもらったメニューというのがまた素敵だなぁと…。わたしは義実家の食事が多すぎる(&他に何もしないのでせめて食事は完食したい笑)ためビールしか頼めなかったのが心残り……次は絶対にオープンサンド食べたいしワインも飲みたい!!

そして心残りといえば店主さんにお話できなかったこと!お客さんが他におらず、ずーっと私一人だったので逆に緊張してうまく話しかけられなかった……。ほぼ目の前で読んだようなものなんだから、せめて『シスターフッド書店Kaninができるまで』が超面白かったですは伝えるべきでした……。

ちなみにZINE『シスターフッド書店Kaninができるまで』は2025冬の文フリ京都合わせで発行されたものらしく、2024秋の文フリ東京に初出展した身としてニアミスしたようで共感、かつ印刷所が同じだったこともちょっとうれしかったです!(そういうことも話せばよかったね……)

最後にもう一冊、『到来する女たち 石牟礼道子・中村きい子・森崎和江の思想文学』を購入。これはまぁ東京の書店でも買えるけど、九州の女たち(石牟礼道子・中村きい子・森崎和江)の本を、大分出身の女性店主らの店で、佐賀出身の女が買うのも良いだろうと密やかに思いながら。

Kaninのお隣もアート系の古書店だったのでちょっとだけ寄ってみた。タイポグラフィティアートの展示もあった。帰り際に蓄音機ギャラリーもやってるのでぜひ、とチラシをいただく。

帰り道、義実家の近くでたまたま見つけた小さなカフェは、そんなに値段が高いわけでもないのに豆の種類は多くすべてハンドドリップで、小さな本棚には村上春樹がぎっしり並んでいた。

アイスコーヒーの向こうに文庫が並ぶ小さな本棚

京都は本が好きな人にとっては楽しい街だよなぁと改めて思う。

この記事を読んで初めて気づいたけど、ガケ書房が近かったのか〜!移転前のガケ書房には2012年に一度行きました。ホホホ座も次は行きたい!というかこのエリアは面白そうな古書店が多いんで、また次はじっくり時間をかけて回ろうと思います!!

@hinata625141
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